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これこそが、リアルとメタバースの違い

先日、「メタバースを使うと、ある有名な実験が説明しやすい」ことに気づき、一人ほくそ笑んでいました 😊

その実験は、ご家庭でもできる簡単な内容なんですが、同じ物が2つづつ必要なので、なかなか実施の機会がありません。
その点、メタバースはオブジェの複製が容易ですし、その特徴が実験結果の解説にピッタリなんです。


というわけで、さっそく始めましょう ❣️

席に着くと、被験者の前には3つのオブジェが置いてあり、その位置と並びを覚えるように言われます。
時間は10秒くらいでしょうか。

犬とラジカセと砂時計。

続いて、180度まわって座り直すと、反対側のテーブルには、同じオブジェが無造作に置いてあります。

反対向きに座ってもらいます。

被験者は、それらを同じように・・・・・並べてください」と言われます。
すると、だいたいの人は、こんな風に並べるはずです。

犬とラジカセと砂時計。

しかし、これは『正解』であると同時に『不正解』です。

席を離れて遠くから見るとわかるのですが、物は同じように・・・・・は並んでおらず、逆の配置で反対向きに並べられています。

グルッとまわった状態で並べられています。

つまり、絶対的に同じ状態を再現しようとすれば、もう1つの机の物の並びはこうなるのです。

完全に同じ状態を再現しています。

これ、実は『記憶力』の実験ではなく、『指示枠』の実験なんです。

『指示枠』というのは聞きなれない言葉だと思いますが、空間を把握する際の『捉え方』のことで、自分を起点にする捉え方を『相対的指示枠』、空間全体の軸を使う捉え方を『絶対的指示枠』と言います。

通常、わたしたちは相対的指示枠で暮らしていますが、たまに絶対的指示枠も使います。
地図を見る時に利用する『東西南北』が絶対的指示枠です。

ただし、日常生活で
「戸棚の一番東側にあるお皿をとって」
なんて、言いませんよね 😊

つまり、相対的指示枠で生活していることの再確認が、この実験の意図なんです。


一方、メタバースは絶対的指示枠でつくられています。
そこは、X軸・Y軸・Z軸にそって物を動かす世界で、アバターがどっちを向いていても、数値の変え方は変わりません。

オブジェの移動数値は、アバターの向きとは無関係。

「戸棚の一番東側にあるお皿をとって」の世界と言えるでしょう 😊
ちなみに、世界には絶対的指示枠で日常生活を送っている民族も存在するそうです。


そして、指示枠以上にリアルとメタバースの決定的な違いは、冒頭ふれたように『複製が容易なこと』

オブジェもそうですが、メタバース(特にSpatial)であれば、空間全体をテンプレートとして保存し、いくらでも複製ができます。

配置してあるオブジェも含めて、空間全体をテンプレート化。

つまり、メタバースはアート作品よりも、印刷物に近いんですね。
デジタルデータですから、複製が容易で当たり前。

逆に言えば、『1点ものの豪華なメタバース空間をつくって、そこに集客しよう』という企画は、『高性能の印刷機を使って、ピカソなみの作品をつくりましょう』と言っている感じです 😊

こうした空間をいくらでも複製して、販売・譲渡できます。

技術は、その特性を活かしてこそ価値を生みます。

多くのメタバース・ビジネスが行き詰まるのは、本来的な特徴である『複製』という機能を封印して、リアルな『場』の使い方をなぞるからだと言えるでしょう。
リアルな場は確かに『唯一無二』ですが、メタバースを同じように使うのは、かえって難しいんですね。
複製機能を有効活用しないのは、トラックの荷台に荷物を山積みして、ロバにひかせているようなもの・・・

「エンジンをかけましょうよ」というお話です。


早く行きたいなら一人で行け
遠くへ行きたいならみんなで行け

みんなで行くには進め方が大切ですね 😊




最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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