「ARCS IDEATHON」と近況報告
こんにちは〜
かなり間が空いてしまいましたが、まだnoteをやめてはいません。というのも、、、
半年以上前からこちらのイベントの企画を進めていたからです!具体的には、散らばったGPSやその他のデータを一箇所に集め、使えるようにする作業(いわゆるデータの前処理、クレンジング)とチーム内ステークホルダーとの調整にもいくらか時間がかかりました。そんな中最後のトップリーグシーズンが始まったので、記事の更新がなかなか出来ず…
一回記事の更新をやめるとめんどくさくなってしまうもので、ペンを持つ気にならないというかnoteの前に座る気にならないわけです。そして、もう一つ今年の4月から新しい仕事が増えていました。
現在、専門学校の「スポーツアナリスト科」で「アナリスト概論」という授業を持っています。
・「分析」とは何か?
・「要素還元」と「複雑系」
・適切な「課題設定」のためのフレームワーク
などといったものを取り扱う授業です。「ラグビーの分析」であるとか「分析ソフトをいかに早く使うか」とかを学んでも仕方ないので、抽象的な話が多くなっています。現場の人間枠という「具体性」を求められていることは承知ですが。
サッカーはサッカーをすることで上手くなる。ピアニストはピアノの周りを走らない。
と戦術的ピリオダイゼーション信者はよく言いますが、個人的には
サッカーでわかるのはサッカーでわかることだけ。ピアニストは他の楽器を聞いたりもするよ。
です。現場の話は現場に行けば身に付きますが、実際現場でのメタ認知に役立っていることは、現場の外で学んだことがほとんどです。
色々言葉を並べてはみましたが、いざ「授業」という形でアウトプットしようとすると、正しさを追求する故の倍以上のインプットが必要になったのが良い気づきでした。もっとも実習重視の学校だけあって生徒が実習に行っていることが多く、シラバスの半分も進められそうにはありませんが…笑
そんなわけでピッチ外でも多少忙しくさせてもらっています。もっともピッチでの仕事で手を抜いているわけではなく、全てはピッチ上での自分・スタッフ・選手のパフォーマンスのためです。
ここ4ヶ月のインプットまとめ
インプットを怠っていたわけではないのですが、上述の仕事の関係でnoteの作成に時間を割くのが厳しいということがありました。そんなわけでとりあえずインプットだけまとめておこうと思います。いつか各本の内容まとめ記事書きます。
というわけでインプットとちょっとした感想です。
デカルト『方法序説』
分析とは何か?分析とは科学だ。科学ってなんだ?要素還元だ。要素還元ってなんだ?デカルトだ。
井上靖『北の海』
NTTでお世話になったチームスタッフがなぜ柔道にのめり込んだのか。この本がきっかけだったそうです。情緒ある爽やかな青春。スポーツ業界は極論青春を売っている世界なので、このピュアな物語は刺さりました。「練習量がすべてを決定する柔道」。
カルロ・ロヴェッリ 『時間は存在しない』
「考える、ゆえに、我あり」はデカルトによる認識の再構築の第一歩ではなく、第二歩なのだ。第一歩は「疑う、ゆえに、考える」であって、デカルトは、主体としての存在の経験と直結した先験的(アプリオリ)な過程を再構築の出発点としたわけではない。これはむしろ、一つ前のデカルトが疑うに至った過程の、経験的(アポステリオリ)で合理的な繁栄なのだ。
(中略)
わたしたちにとっての自分は、大部分が友達や愛する人や敵によって映し出された自分、映し出される自分なのである。
複雑系とはまた違うアンチ要素還元主義が面白かったです。今を生きようぜって話なんですけどね。
國分功一郎『中動態の世界 意志と責任の考古学』
CULTIBASE Radioで取り上げられた回と、そもそものきっかけであるオードリー若林と國分功一郎との対談を機に重い腰を上げて読みました。結局のところ人間は今をどう生きるか、自分を変容させる・させ続けるかというところが大事だそうです。
ドネラ・H・メドウズ 「世界はシステムで動く ― いま起きていることの本質をつかむ考え方」
システムダイナミクスの本の中では一番平易だったので、わかりやすい表現が学べました!
Xavier Tamarit『What is Tactical Periodization?』
一応英語の戦ピリ文献も読んでみるべ!っていう。論文以外の英語文献初めて読んだ。
ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』
むき出しの荒々しさがどこか、つやつやしているように感じる不思議。純文学って感じでした。行きつけの本屋で最後に買った思い出の一冊。
呉明益 『歩道橋の魔術師』
読もう読もうと思って2年くらい手をつけれてなかったのでやっと読めました。マジックリアリズムの表現的な面白さもあるけど、描きたいものを直接的に描かないことで生まれる構造主義的な情緒がよかった。エモ。
安斎勇樹・塩瀬隆之『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』
上述のCULTIBASE Radioのスピーカーの方が書かれた本。ワークショップとそのファシリテーションって難しすぎるなあと。授業でも生かせています。創造的対話。
竹村俊助『書くのがしんどい』
授業内容のたたきをこれ読んで音声入力で作りました。noteでも試してみようと思います。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHKオンデマンド)
庵野秀明の回見たさにNHKオンデマンドに最近入りましたが最強かもしれない。流石NHKで100分で名著とプロフェッショナルは面白い。
『三四郎のオールナイトニッポン0』
今ラジオで一番面白い。イベントも最高でした。
言い訳は以上!!!またnote頑張りまーす。