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Graduate Diplomaという選択肢(ロンドンデザイン留学Advent Calendar 2019, 12/5)

デザイン留学アドベントカレンダー5日目です。卒展打ち上げ後二日酔いになって2日回りくらい遅れ始めてますが気にしない。

今回はGraduate Diplomaというコースについてです。

*注
今回はデザイン系のGraduate Diplomaの大まかな説明をしていますが、基本的に自身が通ったGoldsmiths, University LondonのGraduate Diploma in Designコースの経験をもとに書いています。サポート方針やカリキュラムの詳細は学校によって異なっているので、詳しく気になる方は学校に直接問い合わせて確認することを勧めます

Graduate Diplomaについて

日本では聞き慣れないGraduate Diplomaですが、ざっくり言えばMaster(修士)コースで勉強したいけどスキルセットやアカデミックな語学力が不足している学生を対象としたプログラムとそれで取得できる資格です。国によって定義は微妙に違ったりもしますが。大きく分けて「自身がMasterで専攻する分野の基礎学習」と「アカデミックスキル・語学力の向上」の2つからカリキュラムが組まれています。

期間は学校によって半年だったり一年だったりします。また、多くの学校がGraduate Diplomaコースを開講しているわけでもないので、条件をだいぶ絞っている留学生にはあまり向いていないかもしれません。

ロンドンのデザイン系コースだと、私が行ったGoldsmiths, University of LondonUniversity of the Arts Londonでいくつか開講されています。Royal College of Artも最近になってArt & Design Graduate Diplomaというコースを始めています。(もうちょっと早く開設してくれてれば行きたかったかも。)

Graduate Diplomaのメリット

オファー取得に必要とされる語学スコアが低め
Masterコースと比較して入学に求められる英語検定のスコアが一回り低めです。IELTSだと基本Overall 5.5です。

現地で勉強したい分野の知識・スキルを強化できる
同じ分野でも国や学校によって考え方や教育方針は異なっていたりします。そういった文脈的な側面を実際に体験しながら、足りないスキルを強化できることは大きな利点だと思います。

アカデミックスキル・語学力を補える
論文執筆やプレゼンテーションで必要とされるアカデミックな語学力を鍛えることが出来ます。ただし、基本的にアカデミックなスキルを強化する方針なので基本的な文法やボキャブラリー、日常的な会話などの訓練は期待しない方が良いです。

修了後、無条件で同じ学校のMasterのUnconditional Offerを取得できる
Graduate Diplomaコースを無事修了すれば、IELTSの再試や書類選考の無しで同じ大学・学科のMasterコースからUnconditional Offerを貰うことができます。ただし、学科を変えようとすると普通の出願フローに沿わないといけないこともあったりするみたいです。(クラスメイトが一人その状態になっていました。)

他校のMaster進学にもある程度サポートしてくれる
Graduate Diplomaコースは基本的にその学校のMasterに上がることを前提に開設されてますが、他校への進学に対してもReferenceを書いてくれたり、Personal Statementやポートフォリオをチェックしてくれたり最低限サポートしてくれると思います。

Graduate Diplomaのデメリット

Masterまで上がることを考えるとトータルコストが掛かる
上でも書きましたが、Graduate DiplomaはMasterに上がることを前提としている学生のためのコースです。Masterに上がることを踏まえると、時間もお金も相当掛かります。

専門分野の学習に集中できない
専門分野と語学の勉強両方を同時進行することになるため、Master並に専門分野の学習に集中はできません。むしろだいぶ語学の方の課題に追われたりします。
また、講師陣もMasterほど力が入ってるわけではないと思います。個人的に自分を受け持ってくれたGoldsmithsのチューター達は大好きだし、カリキュラムもよくデザインされていたと感じていますが。(GoldsmithsのGraduate Diplomaコースに関する記事は、また後日改めて書きます。)

Graduate Diplomaという資格は学外ではあんまり役立たない
Graduate Diplomaで学んだことや成果物は外部でも役立つかもしれませんが、資格そのものは基本的に同じ大学内 or 連合体内(UALみたいな)でしか効力がないです。Graduate Diplomaを持っているからといって、他大学の語学要件をスキップできるとかそういった特典は無いです。


私の場合、3日目でも書きましたが、語学力が相当低くIELTSのスコア上げで四苦八苦していたことや、一年準備したとはいえ元の畑と異なるデザインの分野で英語でコミュニケーションすることにまだ自信がなかったので、Graduate Diplomaコースに行くことを決めました。

Bachelor(学士)コース3年次に特別編入という話も実はあったりしましたが、いきなり3年生の中に飛び込んでその環境に馴染めるとも思えませんでした。

Graduate Diplomaは自分のように元々の専攻が異なっていたり語学力が足りていない留学生にとっては、代償は付いてきますが考慮に入れてもいい選択肢だと思います。

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