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言葉で考える。論理的思考とデザインと広告脳と

この数年、クリエイティブディレクター・コピーライターの田中有史さんと一緒に活動することが多くなりました。私が講師を務めている大学で、「広告演習」という授業を受け持つことになり、特別講師としてお願いしたのが関係のはじまりです。それは広告の世界の第一線で長年活躍されてきた田中有史さんの知見が必要だと思ったからです。

授業に向けての打ち合わせで、田中さんはこう言われました。
「広告におけるコンセプトは、クリエイティブのスタート地点であり、仮説の着地点でもあり、思考途中のチェックポイントにもなる。スタート地点がおもしろくなければ、おもしろいゴールにだどりつけない。ゴールからスタート地点を見ておもしろい広告になるのか判断しながらコンセプトを考えないといけない」と言うのです。
広告をやってこなかった自分にはその意図が難解なものだから、図式化して理解しようと試みました。図を見た田中さんは、「なんか違うなぁ。言葉は言葉のままで理解したほうがいいんじゃない?」と言われました。それはどういうことだろう?。図式化することで言葉の意味が限定されてしまい、破綻が生じるのかな、などとその時は思いました。

そのことがずっと頭の片隅に残っていたのですが、先日、田中さんと話しをしている中でこんなことを言われました。
「言葉でロジックを積み上げていかないと頭が整理できない。そうしないと新しいものごとを見いだせない」
この言葉で以前の疑問に対する理解が自分の中で進みました。田中さんの言う広告をつくるプロセスは、レポートや論文を書くような論理の道筋を示すものなのだろうと。
私自身も、この数年たくさんのレポートを書きながら論理的思考の強化に努めてきました。最近は大学の実習授業などでも学生にレポートを書かせています。その理由を「芸大の学びになぜレポートが必要か、それは問いに対してロジックを積み上げていく思考の訓練であり、レポートの“結論”にあたる部分を作品で表現するのが芸大の学びだ。それが今後につながる教養だ」と学生に説明しています。おもしろいことに、学生たちはレポートをブラッシュアップしていくにつれ、デザインの問題点にも気づき、改善していくんですね。論理的思考がクリエイティブに与える影響の大きさを実感しています。


田中さんは“どんな案件についても論理的思考をもって構造を理解し、アプローチすべき課題を見いだしてクリエイティブに落とし込んでいく手法とアイデアに長けた人です。だからこそ、表現に強烈なパンチ力がある”のだと私はみています。それはこの4年間の協働作業を通じて気づきました。
田中さん自身は、その思考を“広告脳”と表現しています。ひと昔前はCMやポスターが中心だったメディアが、今では“オウンドメディア”などの言葉があるように、その会社・団体が自分たちのスタイルに合った多様な発信方法を自ら持つことができるようになりました。言いかえると、田中さんの“広告脳”を使えばどんな規模の会社でも自分たちで広告的な効果を生み出すメディアをつくることができるということです。

中小企業のみなさん、“広告的な効果”を欲しく無いですか?私は田中さんの広告脳を多くの会社が活かせると考えています。広告というと縁遠く感じるかもしれませんが、いまのニーズでいうブランディングにリアルに活かせます。興味のある方は田中さんにつなぎますのでご連絡ください!

なんだか突然に田中有史さん推しの内容になりました。順番が逆な気もしますが、いずれnoteで田中さんとのプロジェクトを紹介していきたいと思います。




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