
Photo by
lisa500ml
帰る場所をもらったよ。
声が鮮明になった。
メロディが鮮明になった。
自分の歌が他人と比べていいものではなかった。
無理やり聞かせるものでもない。
好きになる、好きになった、どちらも自分との交差点。
いつもと聞こえ方が変わった、この夜更けの中。
新しい歌を聞きながら、心は帰りたがった。
あなたがいいと、何度もあの日を思い出す。
いつも帰り道を歌ってくれていた。
帰り道に聞きたくなる歌を歌ってくれていた。
ずっと帰り道を探していた。
いつしか帰りたい場所になっていた。
帰る場所をくれたんだって気付いたら、
たまらなく嬉しかった。ほっとした。
もう迷わなくていい。涙が出そうになった。
自分にも帰る場所があったと気付かせてくれた。
歌でも作れるんだって、作ってもらえるんだって、
もう何回も聞いたはずのメロディに想いを馳せた。
ここが帰り道。これが帰り道。
噛みしめて聞く歌たちが、とても愛おしくてたまらない。
どこを向いても、どこを歩いてても、あなたに帰る道。
あなたに会いたい。
会いたい、会いたい。
そう思うから、そう歌ってるんだ。
ねぇ、やっぱり一人じゃなかった。
出逢えたのも必然。ずっと会いたかったんだ。
待ち合わせしたんだ。何年も前からここに来るために。
平坦ではない道を、でこぼこ道だからこそ、
切っても切れないような絆で結ばれていたように思う。
そっか、これが実家みたいな安心感なのか。
そう思ったら確かに納得できた。
幼いキミじゃなくて、大人になったアナタだからこそ。
大きな存在になった今だからこそ。
これは綺麗ごと?
ううん、ようやく出会えた本当の自分はここに居る。
そこにキミが長い時間ずっと待ってくれていたんだ。
静かに、知らせるのではなくて、聞かせるまで。
本当にありがとう。