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「眠れぬ夜はケーキを焼いて/午後gogo著」ビブリオエッセー


《宛名のない手紙 スイミーになりたい》

私宛名のない手紙

この本の最後で、表現者達の作品を「誰かへの宛名のない手紙」とたとえている。

私は、パウンドケーキを焼くお菓子屋だ。
工房の名前は「Sweets GUPPY」と言う。
お菓子屋の屋号がなぜに魚なのか。
もともとGUPPYは手作りの子供服を友人と2人で売り出した時の屋号の半分だった。
「HANATARE GUPPY」
前半分を友人が、後ろのGUPPYを私が提案した。
その後、一人で手作り雑貨を販売するようになって「GUPPY」になり、お菓子屋を始める時に「Sweets GUPPY」になった。

大好きな絵本「スイミー」レオ・レオニ著の主人公スイミーを小さ魚という事でGUPPYにおき変えて使うことにした。
私の中では
GUPPY=スイミー
なのだ。

私が作る服を着た子供たちが、スイミーのように仲間のリーダーになってみんなを引っ張っていく存在になって欲しいとの願いを込めた。

今、思うに、スイミーはリーダーになりたかったわけじゃない。自分の色がみんなと違うこと、つまりは自分の個性でみんなの力になりたかっただけなんだ。

今度は、誰かをスイミーにするんじゃなくて、私自身がスイミーになりたいんだと気づいた。
私の焼くパウンドケーキで誰かを笑顔にしたい。
私の書く文章で誰かの背中を押したい。
私の書く文章で誰かのお尻を押し上げたい。

そう思えたら、力みも勢いもいらない。
ひろい心でいられればいい。

宛先のない手紙

きっと誰かに届いていますように。
美味しいお菓子とともに。

*「眠れぬ夜はケーキを焼いて」午後gogo著 を読んでのビブリオエッセー
《宛名のない手紙 スイミーになりたい私》

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