「その仕事、ぜんぶやめてみよう/小野和俊著」ビブリオエッセー
《谷を埋めるよりも、自らが楽しくなる山を作る》
本書自体は、企業内のプロジェクトチームの場合について書かれているから、私には関係ないと言えばそれまでで、ただただタイトルに惹かれて買ってしまった一冊。
それでも最後まで読み終えられたのは、いくつもふむふむがあったから。
どどーんと一発、帯にも書いてあるけれど
「谷」を埋めるな、「山」を作れ!
谷は短所、山は長所をいっている。
あなたは短所克服派ですか、それとも長所を伸ばす派ですか。
私は油断すると、短所に目がいって、できていない自分がダメダメ人間で、完璧でないから「私なんて」という罠にハマってしまう。
だから、キラキラと「どうよ!」って自分を売り込める人が羨ましく、さらに「自分はあの人より劣っている」「あの人は見かけはそうでもなく見えるのに、本当はめちゃくちゃすごい人なのかもしれない」と美化して、勝手に凄い人モンスターに妄想してしまう節がある。
谷を埋めるなの真意は、どれだけ頑張って谷を埋めても、みんなと同じになれるだけだということ。
山を作るという事は、周りよりも突き抜けたものを持つという事。
私が谷を埋める努力をやめたのは、ごく最近のこと。
記憶力の無さすぎだから、記憶力が必要なことはやめよう。
暮らし中でも苦手は、聞きながら、動画を見ながらてな楽しい時間と合わせ技でプラマイゼロで行けば良い。そして、暮らしに困らない程度ができていれば良い。
仕事は自信を持って責任を持って笑顔で送り出せるものに絞れば良い。
あれこれ広げても、雑になるだけだし、やれたとしても楽しくなくなる。
笑顔の余裕を無くした仕事に愛はない。
もう、60年も生きてきたら、いまさら平均点はいらない。
「凄いねー」か「ほんとできないよねー」のどっちかで良い。
凄いねーは「してやったり」で、できないよねーは「だよねー」で済ませておこう。