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『「そだちがいいひと」だけがしっていること/諏内えみ著』ビブリオエッセー

《母に感謝》

何度となく書店の平積みで目につきながらスルーを繰り返していた一冊。
私には不釣り合いに見える可愛らしい表紙。
良家出じゃないし、お上品でもないし、どちらかと言えば大雑把だしお淑やかとは縁遠いし、などなどと手にも取らなかったのだ。

時間がないけど本が買いたい!
「よし、本屋に入って最初に目に留まった2冊を買おう」と決めた日に手に取った一冊。
時間があったら今も読むことはなかった。
本屋にはこんな出会いがあるからやめられない。

さてさて、肝心な内容だが、「はじめに」の一行目

「育ち」は、自分で変えられる!

由緒ある良家育ちじゃなくてもいいのかと思える。
読み進めると、あれ?と気づく。
母が教えてくれたことばかりだ。
しらずしらずに当たり前にやっていることが多い。
257項目のうち、できていないことを挙げた方が少ない。少ないなら今からでも努力目標にできる。

そういえば、知り合いが1人もいない街で暮らした時にお茶の先生が「みさきさんは、育ちがいい人だから大丈夫」と助手の先生に話されていたのを耳にしたことがある。
私の身の上話などまだ何もしていない頃にだ。
どうしてそう言えるのかがわからなかった。
それが、この本を読んでなんとなくわかった。
「育ちがいい人」に合格ラインがあるとすれば、ぎりぎりには超えているようだ。
そして、改めて思う。
「自分の当たり前はみんなの当たり前じゃない」
と言う事を。

いつか娘たちが女の子のお母さんになる時に贈る一冊に決めた。
母から私へ、私から娘へ、娘からその子へ伝えたい事が書いてあるから。

思い出した!!
母の母、私の祖母はお嫁に来る時にお付きの人が一緒に来たそうだ。確かに最後まで「お嬢様」を通した人だった。良くも悪くも。
紛れもない良家のお嬢さんだったわけだ。

それならば付け加えねばならない事がある。
祖母から母へ、母から私へ、私から娘へ、娘からその子へ伝えたい事。

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