「石川くん/枡野浩一著」ビブリオエッセー
《ヴファ!!わらったわらった。最低なんだけど、愛されキャラな啄木!!》
「友達がよりえらく見える日は
花を買ったり
妻といちゃいちゃ」
「一度でも俺に頭を下げさせた
やつら全員
死にますように」
石川啄木「一握の砂」の歌を今の言葉で著者が書き換えたものがたくさん。
ひとつひとつに啄木の人となりや生き様が添えられている。
石川くんへの手紙として書かれているのだけれど、それが可笑しい。
啄木は北海道とも縁が深い。
函館、小樽、釧路と短期間で渡り歩いている。
北海道内を旅をするとあちこちで啄木の痕跡に出くわす。
それだけでも、何となく親しみがわく。
が、これほどまでに体たらくだったとは。
「素晴らしいはず」と思い込みで読んでいた歌も、枡野氏の解釈で読めば、何とくだらない。なぜにこんな歌を真剣に深読みさせられたのか。
しかし、この時代の文学者の体たらくさは笑える。
今、彼らのような作家がいたとしたら、一夜にして地獄を見そうだ。
味方のはずの出版社が揃って叩く側に回るに違いない。
笑えます。
是非一読を。