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私のキーパーソン【あるベンチャー企業経営者の素顔について】

最近WEBライターを名乗っている私だが、現在はB様やM様の他にも、もうお一方クライアント様とのお付き合いがある。
実は、この方だけ業務内容が少し異色なのだ。

彼から請け負っている案件は、データ入力系の仕事である。
「お前は何をやりたいのか?」というツッコミが来そうだが、私だって、少し前まではライティング案件が取れなかった時期があったのだ。その際に出会った人物が、私のキーパーソンに違いない。

彼との出会いが、現在の私の姿へと導いてくれた節があるので、ちょっと紹介してみたい。


出会いのきっかけ

今年の夏、私はリライト案件を一件抱えていた。楽しかったが、これだけでは物足りない。
本当はもっと案件を取りたいのだが、リライト案件はとても少ないのが実情である。

記事執筆案件は、なかなかテストライティングにすらたどり着かない。
やっとテストまでこぎつけても、ずっと落とされ続けた。

まあ、今振り返れば高単価狙いで難しそうな案件ばかり応募していたので、当然である。

ただし、それが続くと精神的に辛くなってくるので、リライト案件の合間にデータ入力でもやるかと探して、応募したのが彼の案件なのだ。

このときは、まだお互いに名前すら知らない。

案件の業務内容は単純である。
企業リストに基づいて、必要な情報を収集して貼り付けるだけだ。
使用するシートがGoogleスプレッドシートというのも、よくある話である。

一応私も仕事用にアカウントを持っているので、応募はお手軽なものだ。
ただし、案件終了後の彼の行動が、私の潮向きを変えた可能性は高い。

実名でのメール

ある日メールボックスに届いた、1通の名前付きのメール。

「え?だれ、この人。間違いメール?」
差出人の欄に本名らしき名前が記載されているメールには、全く心当たりが無い。
ただし、名前が明記されているということは、よくある広告系メールなどではない、ということである。

とりあえずメールを開けてみる。

会社の事業の手伝いをしてほしいから、一度ZOOMミーティングでお話しませんか?という内容だ。

「???」となるのも当然である。

私は会社経営者ではない。ただの一個人だ。
かなり悩んだが、何となく直感とその場の気分で、承諾の返事をした。
いざとなったら断ってもいいのだし。

念のために、打ち合わせの日時までに、「実在する会社なのか」「違法商売はしていないか」などはチェックする。

うん、とりあえず大丈夫そうだ。業務内容はよくわからないが、IT系のベンチャー企業の経営者らしいということだけは、理解できた。

「一緒に稼ぎませんか?」ではなさそう

打ち合わせ当日。
慣れないZOOMにあたふたしながら(このために初めて導入したのだ)、画面向こうの彼との初対面である。

画面に彼が現れた第一印象。
「あ、何だかギラついていない」

こう言うと身も蓋もないが、「儲け」だけが常に頭にある人って、何だかギラついた印象を受けるのだ。そういう人間は苦手で、本能的に避けたくなる。

「はじめまして」

今まで派遣で出会ってきた数々の上司と、同じような雰囲気だ。普通の経営者である。ただし私より若いので、相当な行動力がありそうだなとは感じた。
予想していたよりも、柔らかな雰囲気の持ち主である。


本当のところを白状すると、打ち合わせの前にちょっとした腹案があった。
もし本当にやる気があるなら、「契約書」を提示してもらうことである。
そこで、本当に誠実な人間ならばきちんと用意するし、違法性がないことも確認できる名案だと思った。

驚いたことに、彼はアッサリとその条件を承諾した。

れっきとした法律上の契約の成立である。
契約書は万が一の場合の強力な証拠になるので、その条件を呑むというのは、実は相当な覚悟がいるのだ。

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打ち合わせの終盤に、
「では、○○さんの自己紹介をして下さい」と言われた。

予想外の提案に、内心うろたえた。

実は私、自己PRが大の苦手なのだ。
しどろもどろだったが、その際に、たまにライティング案件を受注している旨を打ち明けた覚えがある。

ビジネス・パートナーとしての扱い

打ち合わせが終了し、後日メールで電子契約書が送られてきて、業務が始まった。
短時間で終わるごく簡単な業務だが、仕事は仕事である。

出会った際の案件と同じようにスプレッドシートを使用した業務だが、前回と作業内容が若干異なり、お互い手探りの状態で始まったために不備も多い。
不備の修正のためにこちらが指摘した改善提案に対し、理に適っていればやはりアッサリと受け入れ、淡々と修正する。

ふむ、やるではないか。
度量の狭い人間には出来ない芸当である。

やはりタダ者ではない。俄然、彼に興味が湧いた。
ホームページで情報を調べることくらいしか出来ないが、グローバルな経営視点を持っている人物像が浮かび上がる。

「人のために手を差し伸べるのがスキだ」

業務内容からも、そんな彼のやさしさと誠実さを感じるのだ。

インセンティブ

初めて出会ってから、1ヵ月。
私は彼の予想を上回る経営利益をもたらしていたらしい。
2度目のオンラインミーティングで、彼の喜びが直に伝わってきた。
しかも、契約通りインセンティブも支払ってくれると言う。

おお、それほど喜んでもらえるとは。

ここまで素直に喜ばれれば、単純作業であっても、俄然彼のために頑張ろうと意欲も湧くのだ。
そのままではすぐに飽きるので、私なりに1日あたりの目標数を勝手に設定してcount関数を貼って集計し、モチベーション維持に励んでいた。

その後一旦数字は落ち着いたが、淡々と業務は続く。

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一方、この頃に今まで受注していたリライト案件が終了して、新たな案件探しが始まった。

いっそ彼の行動力に習い、思い切って記事作成に目標を変更してみようか。

そうして出会ったのが、今もお付き合いしているM様だ。
同時に、単発の案件を2件も獲得した。
単発案件であっても実績としてカウントされるので、ライターとしての信用度は上がるのだ。

どうやら、風向きが変わってきたようである。

実はこの頃から、私にも密かな願望が生まれた。

「一度、こちらからWEBライターとして彼の魅力を伝えてみたい」
いわば、夢のコラボである。

オウンドメディア案件でのデビュー

さらに変化は続く。

現在の教育系記事の執筆案件に応募し、テストライティングなしの採用案件に挑戦した。しかも、未経験のCMSシステムを利用した入稿業務付きである。
ダメなら1度で終了だ。

かなりハードルの高い条件だったが、幸いにも一発でOKが出て、テストライティングを兼ねた記事は、そのまま世間に向けて公開された。

初めて、自分の記事が日の目を見た瞬間である。

たとえ無名記事であっても、文書を納品して終わりだった今までとは、感動の度合いが全く違う。しかも、当時としては最上級のお褒めの言葉を頂いた。

noteデビューも果たし、本当は承諾を取るべきところを勢いでそのまま記事として公開した。
未だ叱責がないところを見ると、どうやら黙認されたようである。(申し訳ありません!)

勢いついでに、彼のnoteも探した。
聞いてはいなかったが、新しいものに目がない彼なら、多分やっているだろうという一方的な予測である。

やっぱりあった。

わずかな記事数だが、そこにはホームページでは見られない彼の素顔が掲載されていた。
それらを見たときに、なぜ私が彼からの提案を受け入れたのか、腑に落ちた気がする。

私と似ているのだ。

ビジネスポリシーが。

生き様が。

既成概念に囚われたくない。

まずは誰かのために。

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彼はしれっと手を差し伸べるやさしさと、自己研鑽を怠らない優秀な経営者の両面をもつ人間だった。

だから、私は見知らぬ人間の提案を受け入れたのか。

その後、現在まで3件とも継続中なのだが、ごく最近に有名な著述家の方から「コメント」と「オススメ」を頂き、これはチャンスだと思った。
今こそこちらから仕掛けてみよう。

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そんな思いから、この記事を書くに至った。
彼からの依頼ではない。
タダの一方的な、私なりの彼への恩返しである。

株式会社SEASIDE

https://seasidejapan.co.jp/


彼は、間違いなく私の潮流を変えたキーパーソンである。
会社の名も、彼の人柄を表したような命名だ。

きっと、彼の活動領域はまだまだ広がっていくに違いない。

2020.12.1

2020.12.2 改訂(ご本人様からの許諾を得て、会社名を公表いたしました。)

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