創作のマナー
私自身は、あまり演劇とは縁がありません。ですが、家庭教師の生徒で地元の劇団の団員をしていたり、高校の演劇部に所属していたりした生徒もいたので、アマチュアの劇団のお芝居も見に行ったことがあります。
さて、そんな私が見つけた下記のツイート。
たまたま、二本松市に関するトピックを探していて見つけたものです。
、
一応、発信者の身元は敢えて伏せました。これでも炎上は避けたほうがいいかな、という私なりの配慮ですよ?
ですが、皆さんの良心にお尋ねします。
あまりにも一方的な、自分たちの都合しか考えていない文章だと思いませんか?
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二本松少年隊については、私もショートショートを一本書いていますが。
こちらは、縁の方々からも非常に好評でした。
ショートショートの体を取ってはいますが、もちろん史実に基づいて執筆したものです。
少なくても、自分の思想・信条に基づいて一方的に書いたものではありません。
また、ほぼ同時期に戦争のトピックとして、樺太の「真岡郵便電信局事件」を取り上げた際に。
北海道でこちらの「愛宕劇団」様の『九人の乙女〜氷雪の門』が上演されていた縁もありまして、ささやかではありますが、活動をRTさせていただきました。
それは、「樺太の悲劇を忘れさせない」という彼らの思いに、私がシンパシーを感じたからです。
私のショートショートにしても、愛宕劇団様のお芝居にしても、まずは悲劇の遺族に対する鎮魂と畏敬の念もあるから、お互いにシンパシーを感じたのかもしれません。
少なくても、近世の史実を題材にする場合は、そうした配慮は当然のことだと思うんです。
遺族の方にしてみれば、身近な方々が悲劇に見舞われ、そのバックボーンも生き残った遺族や知人を通して知り尽くしているのですから。
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で、Twitterでは引用RTを流しましたが。
問題点はいくつもあります。
1.地元で「商売人」が誰なのかが特定できてしまうこと。
2.そもそも、脚本を書いた人が自分の思い込み・信条だけでTwitterで拡散を狙ったものであり、地元では芝居の内容について異論もあったことは都合よく無視、もしくは「妨害行為があった」と事実を捏造。
(本当に妨害されていたら、そもそも地元で公演できませんよ^^;)
3.「歴史を隠蔽した」という趣旨を述べているが、新政府軍の追求が厳しかった明治初期~中期において、賊軍扱いされた二本松藩の人が多くを語らないのは、自然な心情ではないか。
4.また、地元の人に積極的に協力を求めたにもかかわらず(ポスターの掲示や地元メディアへの働きかけなど)、結果的に二本松市に対して、否定的な見解を拡散しようとしている。
5.「二本松少年隊の歴史が知られていないのは、武士道に反するから恥ずかしくて公表されなかった」などの誤った歴史見解。
少なくても、新渡戸稲造先生はそんな風なニュアンスで武士道を語っていないです。
(新渡戸先生の著書、ちゃんと読んだんですか?)
6.「商売人」の方は、これからも商売をしていかなくてはならないんです。それをこのような悪意あるツイートを広めることこそが、「妨害行為」そのものです。
万が一の場合は、「民法709条 不法行為」に基づく損害賠償請求にも応じる覚悟があるのでしょうね?(皮肉ですよ、もちろん)
第五章 不法行為
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
7.何よりも、遺族及び関係者の意向や遺志をまるっきり無視していること。
これが一番の大問題です。
演劇関係者全てがこんな人ではないでしょうし、生活が大変な関係者もいるとは思うんです。
私も、フォロワー様の中には劇団関係者(今回の件とは全く別の劇団の方です)もいるので、多少は苦しい台所事情にも理解があるつもりです。
ですが、冒頭の劇団運営者の方の投稿は、そうした苦しい運営の中で頑張っている劇団関係者への侮蔑や誤解を助長しかねないとも、私は感じました。
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関係者が見るかどうかは分かりませんし、私も直接コンタクトを取るつもりはありません。
ですが、せめて問題の一連のツイートは削除するべきではないでしょうか。
良心がまだあるならば、ですけれどね。