[Jordan] ヨルダン 1200km ロードトリップ (7 of 12 travelogues)
Madaba, Jordan — マダバはあらゆる時代の遺跡が残る美しい街。旧約聖書を知る人には、郊外のネボ山がエジプトを出たモーセの終焉の地であると記されていることも重要だ。宗教に疎い私にはその意味の大きさはよくわからない。しかし、ネボ山から大地溝帯とヨルダン川西岸、エルサレム、死海を遠望し、その光景が数千年変わらずここにあり続けていることが、訪問者に特別な感慨を与えていることは旅人として理解できる。マダバ中心部の遺跡や史跡の中で圧巻なのは「マダバのモザイク地図」。紀元1年ごろに作られたモザイクの中東地図で、当時のエルサレムなど様子が描かれている。ここには2000年以上前から人の暮らしがあり、宗教があり、技術と芸術があり、その一部が今も存在し続けているのだ。