進撃の巨人より 「帰納法によるロードマップの作り方」
こんちゃ、あびとぱです。
今回は「作品を描く時のコツ」で手を動かしていて良いなと思ったものを纏めておきたいと思います。(個人用)
具体例として挙げるのは進撃の巨人です。ネタバレ含むので、読みたい人はアニメで全話見てから読んでください。
いえ、私の記事などどうでも良いので、進撃の巨人を見てきてください。
では、いきましょう。
【 前提】
前提として以下の記事の知識を使用します。
簡単に内容を整理すると、「目標達成においては目標達成のために辿るべき小さな目標を明確化して、それを踏むためのユルユルなロードマップを作り出した後、今やるべきことのみに集中しよう」という考えをアナロジーして「創作の結末を先に決めて、そこに至るための出来事を洗い出してロードマップを作って、その後に演繹法的に今書く物語を面白くしよう」ということを提案しています。
今回はこれをもっと詳細化したものを紹介します。
【 進撃の巨人 】
進撃を巨人を見た人ならば絶対に頷いてくれることが一つあります。
それは
「進撃の巨人 = 帰納法のレベルが高い」
ということです。
それは様々な点から推察できると思います。
ネットを見ても、圧倒的伏線回収だとか、展開のエグさだとか
まぁ、色々言われていますし、ダイナ巨人周りや時間旅行とかは素晴らしいですよね。
全てを作り終えてから作品作りに着手している節まであります。
【 帰納法によるロードマップ作成 】
進撃の巨人を見た人なら絶対に思うことがあります。
あんな感じの完璧に綺麗な物語作りてえぇぇぇぇぇ という至極真っ当な憧れです。
それを可能にするための方法を考えてみました。(参考動画↓)
この動画を簡単にまとめると、「死んでまで叶えたい自分の欲望によって今の行動を作ろう」というものです。
デカい(長期的な)欲望によって、多くのそれに関係しないような小さな(短期的な)欲望が淘汰されるということを言っていました。
これは物語の創作でも同じな気がしていて、自分の創作において実現したいこと、欲望を明確化して、それを元にして実現するための手段を設定として作り上げていけば良いわけです。
つまり、まとめると、創作においてのプロセスとして
「使い方 = 自分の欲望 ✖️ 結末の想像 → 結末を踏むために必要な設定 の流れで作る」
これが最強なのかなと思っていたりします。
多くの作品は、誰かの何かの欲求を満たすものであり、自分の欲望と他人の欲望に大差はないと考えられます。なので、そこから結末を作り出せば、良い形になるのは想像できます。
そして、それを作り出すために頭を柔軟に捻る必要があります。それが設定や歴史などを考えていくことです。
その結末を辿るためにはどのような世界観が良くて、どのような世界情勢が良のか、人間関係を持っていると良いのか、主人公の環境が良いのか、世界の歴史が良いのか。
まぁ、「必要」という言葉をキーワードにその結末を真の意味で一本線にできるように作り上げていくということです。
これは「前提」の章でお話ししたロードマップの作り方に近いものです。
ロードマップを作るためには「結末に応じた必要なものを積み上げていく」という感覚が近いと感じました。
その結果として、進撃の巨人のような奥深い「歴史と設定」が作られるのだろうと思います。つまり、面白さを作り上げたいのであれば、一本線を通すための歴史と設定が必要であるとも言えます。
【 まとめ 】
今回は歴史や設定を作る際の悩みの対処法として、進撃の巨人からアナロジーを使い、自分であの作品を再構築するとしたら、どうやるか分析した結果を共有しました。
ちなみに、この方法を使うと、使うべき設定といらない設定が明確に分けられるので、設定厨の人には特に必要かと思えました。(私のこと)
【創作サンプル】
・欲望 = ある男とその相棒のドラマが見たい
・結末 = 恋愛において相棒の背中を主人公が押す
・相棒と主人公のキャラ性を対比的にする方が見やすい → 相棒を陰キャ、主人公を陽キャ属性にする必要がある
・その属性を実現するために相棒が尻込みする要因と主人公が背中を押すための要因が必要 → 相棒を身体障害者にし、恋愛にハンデを与える。逆に主人公は常識に囚われない快活さ(アホな側面)を与える。
・身体障害に至った経緯と主人公がそのように育った経緯を導入する必要がある → 何かの事故と主人公の生い立ち
このように何度も何度も深く掘っていけば、簡単に過去の歴史や必要な設定に関しては作り込むことができるのではないかと思います。
もちろん、矢印の先はその人の今まで見てきた作品の幅が武器になります。
また、何を入れないといけないのか気づく力も必要になります。
その辺は論理的にツッコミどころがないかを確認しつつ、穴を詰めていく作業が求められます。
その他にも、自由度が高いです。どのような属性にするのか、どういったものを主人公に与えるのか。しかし、それを入れる必然性は必ず確保しておかないといけないということは抑えた方が良いです。
この設定と歴史を作り上げた上で、演繹的に物語の面白さを演出していくと。それがスタートラインな気がしました。
個人的には
帰納法 = 全体や結果を想像して細部を作っていく方法
演繹法 = 細部にこだわることで全体を作っていく方法
だと思っており、ハイブリッドで創作するならば、帰納法 → 演繹法だと思っています。
帰納法で全体から細部を作り、演繹法で帰納法で埋まらない中間部分を広げて全体に変換し直すという「不完全な全体 → 必要な細部 → 完全な全体」という形が創作スタイルとして理想と考えられます。
これによって歴史と設定に関しては作り終えることができました。
ここからは演繹勝負なので、次回から何かまた発見がありましたら共有します。
ちなみにサンプルは「最強のふたり」を思い浮かべながら簡単に作ってみました。
よければ、見てみてください。素晴らしい映画です。