デボラ・ブラム著 五十嵐加奈子訳『毒薬の手帖』読了
『毒薬の手帖(ISBN:9784791772391)』を読了しました。 事実は小説より奇なり。
おじさん、科学者、狂騒の20年代、アメリカ、禁酒法、毒薬、ミステリ
これらの言葉に少しでも引っかかったら読んだほうが良い本。
主に、1920年代から30年代後半、二人の科学者が時に上の圧力に反発し、コン詰めて実験、研究、調査をして、如何にして毒殺、そして毒薬を見破ってきたのかが書かれたノンフィクションです。この主人公と言える二人の科学者たちが滅茶苦茶かっこいい。自分の信念をまげない。
私の化学の知識はもうはるか昔に飛んでいってしまっていましたが、本書では毒の効果が非常にわかりやすく書かれていて、たまに出て来る化学構造を少し調べる程度で読めました。
ノンフィクションだけれど、もうこれはミステリー小説といっても過言ではない。某映画の元ネタになった殺人事件も出てきます。あと、当時の社会状況を知ることもできます。禁酒法については私は詳しく知らなかったから勉強になりました。
ただ、死刑執行の場面、それから動物実験の描写もストレートに書かれています。もしそのような表現が苦手だったら控えたほうが良いかもしれません。
アメリカではドラマになっているのだそうです(訳者あとがきより)。ちょっとトレーラー見てみたら、これなぜ日本じゃ全編見られないんですか!?ってワクワク止まりませんでした。
映像化に向いている。向いているということはそれだけ本文を読み想像力を働かせたら「ドキドキとまらない」ってことです。
装幀もとても素敵だし、飾っておいてもカッコイイw(カメラの調子が悪いのですが、地の色はベージュでレトロ感満載)
ただ、スーツのおじさんが試験管振ってるのちょっとおかしくない?白衣じゃないのなんでなんだろ笑。
アメリカのあとは日本の法医学についても読みたくなりました。また積ん読が増えそう〜。