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【ネタバレあるよ~】どこかで物語として終わらないと思っていたけれど、暗闇の中でエンドロールをじっとながめたときには「あ、ものがたりが、ひとつ、おわったのか」って感じていた自分がいた。

 振り返れば、本当に本当に長い付き合いだった。
 テレビ版リアルタイム放映当時からなので、今迄、我ながらよく付き合ったものだなと思う。自分で自分をほめたいくらいには。

 基本スタンスは昔から『考えるな感じろ』を突き通した。
 その上で、ちゃんと「終わった」と感じる作品を創り上げた庵野監督含め制作側の関係者各位には感謝をしてもし足りないと思っている。ありがとうございます。そして、お疲れさまでした。
 スタッフの皆様やこの映画を観たことによって制作側にまわった人達が、次に何かを仕掛け生み出し創られるだろう作品に何らかの欠片が埋め込まれていくのだろうなと、この映画をみながら他人事のように思った。表現方法は無限にある。移動時間を除きほとんどタイムラグがない状態で、プロフェッショナルでの正しく命を削る撮影方法をみたからこそ、淡々とした中の子どものように無邪気な恐怖と絶望の中でみえないほど細い細い糸を掴むような作業に自分を置いてしまえるあのプロジェクトに関わってしまった方々(NHKの取材班含む/苦笑)の凄さを自分は感じた。
 考察とかそういうのは、もうきっと他の人がいっぱいやってるから、自分は自分の感じたことを素直に書いていこうと思う。

 プロフェッショナルという番組が放送される当日に、滑り込みで映画館に足を運んだ。
 自分の構築しているTwitterのTLには公開初日から観に行った報告はあってもシン・エヴァのネタバレ自体はほとんど流れていない状態だった。公開から二週間してもネタバレがあまりにも流れていない状態に危機感を覚えた公式が「解禁日を指定」する有様。でもまあ、それも含めての「お祭り」で「娯楽作品として面白い」のかもしれない。

 少なくとも、私は「映画館で観た」ことを後悔することはないと思う。

 ただ、これだけは書いておきたいと思う。
「最後を見届けるのは怖かった」
 三時間、耐えられるのかも不安だった。でもね。なんていうか体感時間は一時間くらいに思えた。それくらい濃い映画で、多角的な技術の詰め込まれた構成で、たくさんの、本当にたくさんの人が頑張った証が詰め込まれた終わりだった。

 式波・アスカ・ラングレーと名前が変更された惣流アスカラングレーと、葛城ミサトには個人的にお疲れ様って言いたい。とても。

 彼女たちが居なかったらたぶん見届けられなかったし、何なら葛城ミサトの最期を泣きながら見届けると同時に、合法的にしねるセカイがうらやましいとも思ってた。

 こんなにもこの世からきえることを望んでいるのにまだいきをしなければいけないらしい。素で思うんですけれど、はやくあんらくしがえらべるせかいになればいいのに。もしくは、いきたいひとに寿命を全部譲れる機械がつくれたらいいのに。

 エンターテイメントってすごいですよね。
 蜘蛛の糸のような希望も静かな嵐のような絶望も霧雨が降る森のような光と闇も同時に摂取出来る。

 創作するのは、たぶん自分を切り撮る作業で、刻み付けて叩き潰して捻り出したあと評価されてしまうと、自分以外の誰かからも遠慮も躊躇いもなく吸い取って汲み上げ薄い薄い幕を織り上げていく作業だと思う。
 その中のたかが一歩を踏み間違えたら、簡単にハガネは剣となり創作者を潰す。

 こわいとおもう。
 でも、だからこそエンターテイメントとして「楽しませる」ことに特化した作品になるのかもしれない。

 碇シンジの傍らに渚カヲルが居たように。
 碇ゲンドウの傍らに冬月コウゾウが居たように。
 光と闇の関係は脆くて、儚くて、だからこそ誰かにとってのヒーローは殊の外格好良く感じるけれど、エヴァには正しいヒーローは居ない。存在できない。

 ただ、その代わりに、象徴としての救済のマリアみたいなのは存在してた。
 アスカのそばにマリが居てくれた。
 それだけで、なんかもういっかなって。

 物語の綴じ方は、たくさんある。
 長年ずっと繰り返し付き合ってきた物語の終わりを、創作者本人がいきているうちに観ることが出来たのはとても幸運でしあわせに思う。
 それだけでも、観た意味はあった。

 あいかわらず、ちっともいきるきぼうなんてものはわかないけれど、片隅でいきをすることはもうすこしできそう。

 ありがとう、すべてのエヴァンゲリオン。
 さようなら、すべてのエヴァンゲリオン。


#シン・エヴァンゲリオン劇場版

#ネタバレ

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