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【センスコンプレックスが覆る】『センスは知識からはじまる』水野学/著(朝日新聞出版)

デザインにしても企画にしても、自分には天性のセンスなんてないんだ、と思ってる人へ。
あなたの前提を大いに覆すこと間違いなし。
センスは先天的なものではなく、育めばいくらでも育つものなのです!

おすすめ度・読者対象・要点

おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★★
・中学生以上なら誰にでも
・デザイン力が必要、身に付けたい人

デザインは調査から導き出すものではなく、自分の頭で考えるもの。
感覚ではなく知識に基づいて導き出すもの。
そうするための知識の習得の仕方から、その知識に基づいて、どのように考えればいいかを指南する講義。

センスに自信がない人は、自分が、実はいかに情報を集めていないか、自分が持っている客観情報がいかに少ないかを、まず自覚しましょう。いくら瞬時に物事を最適化できる人がいたとしても、その人のセンスは感覚ではなく、膨大な知識の集積なのです。
センスとはつまり、研鑽によって誰でも手にできる能力といえます。
決して生まれつきの才能ではないのです。
『センスは知識からはじまる』水野学/著(朝日新聞出版)


好きなポイントと注意点

とてつもなくわかりやすい。感動しました。

さて、もしあなたが新しい企画や商品を作ることになったとしたら、まず何をするだろうか?

市場調査はとりあえずやってしまいがち。
時間をがかかり、大きな数字が出て、わかりやすいから。
でもそれでは売れる商品、センスがいいものは生まれない。

日本企業を弱体化させたのは、市場調査を中心としたマーケティング依存ではないでしょうか。

この手の市場調査には二つの落とし穴があります。
ひとつは、悪目立ちするものに目が行きがちであるということ。<中略>
もうひとつは、新しい可能性を潰してしまいがちなこと。
『センスは知識からはじまる』水野学/著(朝日新聞出版)

それから、奇抜な企画書は売れない。
奇抜なものは目新しくても手に取ろうと思う人はインフルエンサーぐらいのものだ。

尖っている企画と売れる企画は、必ずしもイコールじゃないよ

誰もみたことがない企画をつくることが大事なんじゃない。
誰も見たことがなくても、狙ったターゲット層にちゃんと「売れる」企画でなければ社会からは求められないんだよ。
最初は「ちょっと面白い」程度のアイデアだって、緻密な改良次第では普通ではない尖ったものにすることができる。
企画とは、アイデアではなく「精度」こそが重要なんだよ
『センスは知識からはじまる』水野学/著(朝日新聞出版)

売れるもの、センスがいいもの、はきちんと理論立てて説明ができる。
そのためにたくさん知識を身につけることが必要と、こんこんと説明されている。

僕はプレゼンするときに絶対に使わないと決めている言葉があります。
「感覚的に、これがいいと思うんです」は禁句。

デザインがいいから売れたというより、売れるアウトプットを論理的に考えていったから売れている
『センスは知識からはじまる』水野学/著(朝日新聞出版)

理論立てて説明ができる、ということは、そこまで蓄積された知識が必要ということだ。
逆を突けば、センスがいいものというのは、知識があれば誰にでもできることなのだ。
それを丁寧に教えてくれる。大変勉強になった。

数値化できない事象を測る方法をたくさん知っていればいるほど、センスがよくなります。
自分が認識している「普通」の基準と、あらゆる人にとっての「普通」を、イコールに近づけられるようになればなるほど、「普通」の基準と、あらゆる人にとっての「普通」を、イコールに近づけられるようになればなるほど、最適化しやすくなるのではないでしょうか。

普通を知るということは、ありとあらゆるものをつくり出せる可能性がたくさんあるということです。
『センスは知識からはじまる』水野学/著(朝日新聞出版)

それから、何かを作りたい、たとえば雑貨を作りたい、ポーチを作りたい、となったとしたら、数多くのポーチを見るだけではだめだ。
どこを対象にするのかを考えて、対象に関連すること全てから多角的に検討していく。
そうすれば、どういうものがセンスがいいのか見えてくる、ということだ。

「誰が、どんなときに、どんな場所で使うのか」、対象物を具体的に思い浮かべることは、センスを最適化するためにもっとも必要な三原則であると覚えておきましょう。
『センスは知識からはじまる』水野学/著(朝日新聞出版)

全体を通して読むのがたやすい。
講義形式だからというのもあり、語りかけるような書かれ方で、すんなりと読める。

もし急いで読みたい人は、要素だけとらえながら読むか、
要所を捉えて読みたい場合は後半だけでも十分。
実例が多いのでそこを読むとより分かりやすいが、飛ばしても差し支えないな内容になっている。


余談

とてもタメになった。感動した。

知識をつけるというのは、ありすぎて使えないのはこまるけれども、こうやって日常にどんどん生かしていけるなら、どんどん吸収していきたいと思う。
そして、その作業は年齢を問わず、いつ始めてもいい。
そう、まさに今からでも全然遅くない。

「感受性+知識=知的好奇心」
大人になったら、この公式をもつといいのではないでしょうか。
大人になれば、知識は努力で身につきます。
しかし、幼い子どものような感受性を保てば、努力せずとも知識が自然と入ってくるとも言えます。
『センスは知識からはじまる』水野学/著(朝日新聞出版)

仕事柄、ひらめきが必要な場面が多く、なんなら、画面構成のようなデザインから企画のデザインまで数多くしている。
その中でセンスを求められるが最近枯渇気味だったので、どうしようかと思ってこの本を手に取った。

この内容は大変わかりやすく簡単で、大変だ。
だから今すぐ始めようと思う。

センスを磨くには、あらゆることに気がつく几帳面さ、人が見ていないところに気がつける観察力が必要です。

最終的なアウトプットは、新しく、美しく、尖ったものであるべき。
しかし、アウトプットの前段階においては、知識にもとづいた方向性の決定が大切だということです。
『センスは知識からはじまる』水野学/著(朝日新聞出版)

知識の身に着け方は色々あると思うのだが、それはものによって推奨される媒体が変わるだろう。
広告なら、数多くの広告を見るのがいいし、
動画作成なら、再生数の多い動画を見るのがいいし、
商品企画なら、同等の商品を数多く見るのがいい。
これらをまとめた動画、サイト、あるけれども、深く知るには物足りない。
かゆいところだけ見たいというのが、なかなか難しい。

本はそれを叶えてくれるのでは?と思った。
もちろん入門書もあるが、学術書、専門書まで幅広くある。
そして、好きなページを開くことができる。一発で欲しい情報かどうかわかる。
これほど効率よいものがあるだろうか?と思うのだけれど、いかが。

私も、もっと本を読もうと思います。
そして、どんどん紹介していくので、みなさんもぜひ色々読んでみてほしい。

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