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有観客試合デビュー 〜応援に救われていたのは私の方だった〜

新型コロナウイルス感染拡大防止に伴うプロ野球の無観客試合期間が明けて、7月10日から上限5,000人という制限があるものの、プロ野球の試合に、スタジアムに、お客さんが帰ってきました!
ようやく…ようやくです!

そこで早速、昨日7月11日のZOZOマリンスタジアムで行われたライオンズとマリーンズの試合を観戦してきました。

一般発売でもすぐ完売かと思いきや意外と後日復活したりして、思っていたよりも簡単にチケットが取れたのは嬉しかったけれど…首都圏では最近感染者は増加傾向にあるから、行きたくても行けない選択肢を選ぶ人がいるのは当然。
私は千葉県民なので県内移動だけで済むのはありがたかったけれど、どこか不安を拭えないまま出歩くのは、まあまあ心労が絶えない感じはしました。

また再来週、次はホームであるメットライフドームで野球観戦をするので、印象としては全く変わってくるんだろうなあ…という感じはするのですが、「限られた観戦スタイルの中で、ビジターチームの、試合中は比較的応援重視のファンが、負け試合を観戦すること」について、思い出代わりに記録を残しておこうと思います。

ちなみに久々の野球観戦で、体力はズタボロです!今日は一日要安静の状態でした…。

◆チケット代

家からの距離も、環境も、何より高校3年間を費やした大好きな幕張の土地!というのも、全部ひっくるめて個人的にめちゃくちゃ都合が良いマリンで有観客試合が再開できるのはとても嬉しかった…のですが。

マリンでの今季の試合は価格変動制のあるダイナミックプライシング価格に設定されています。
今後も試合によってチケット代は変わるのでしょうが、今回のチケット代は内野指定席IAで9,000円。最初見た時、驚きすぎてひっくり返るかと思った…。

今回に限っては待望の有観客試合再開で、しかも10日が自分の誕生日だった…ということもあって、ダブルでお祝いの気持ちでチケットを購入したけれど、正直ハードルは高いと思ってしまいました。

勿論球団の経営状況や、価格を引き上げることによって客層をある程度保ったりなど、色々な理由や意図は当然あるはずなので、一概に批判できるものではないと理解しています。
けれど、普段のプラチナ価格の更に倍の金額で野球観戦するのは、普通の感覚なら継続して観戦しに行くのは難しいのかな…というのは率直に思いました。
とはいえ球場によっては価格据え置きのところもあるので、こちらも一概には言えず…。

◆球場までの移動と入場

13時ちょっと前に海浜幕張駅に到着。普段だったらこの時間、海浜幕張駅前には野球観戦だと一目でわかる人がうろうろしているのに、そんな人たちがほとんど見つからなかったのはちょっと新鮮な光景でした。

どこの報道陣かな…というカメラマンが数人待ち構えているのを通り過ぎてマリン行きのバス停へ。
係の方に消毒液を手にプッシュしてもらい、100円は先払い。満員とは程遠いけれどそこそこの人数になったら出発するという、早速去年までとは全く異なる感じにソワソワしました。

でも、そんななかで一番素敵だったのは現地に到着してからのバス運転手さんのアナウンス!
「コロナで溜まった鬱憤をZOZOマリンスタジアムで晴らしてきてくださいね!」という言葉に、思わずニコニコウルウルしてしまうのでありました。

スタジアム前には、思ったより人が多いなあ…という印象。5,000人って決して少なくはない!
外のお店もそれなりに開いているけどいつもの行列はない。外のグッズショップにも人数制限がかけられている。ふとしたところから、やっぱり普段とは違うんだなあ…というのを痛感させられます。

そして全然ライオンズファンが見当たらないのが、切ない…。同じ関東のチームでこれなら、他のビジターチームはどうなっちゃうんだろう…。

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入場時はフェイスガードをしたスタッフさんによって検温、消毒液をつけて荷物検査、そしてチケットもぎり…という多忙。
検温、引っかかったらどうしよう…ってビクビクしてましたけど、可愛いおねーさんに「大丈夫です!」って笑顔で言われたので、ホッ。

それにしても、手にチケットを持ったまま消毒液をつける難易度の高さ!!アルコールがかかると印字が消える気がするので、気をつかう…。

でも、中に入って一番最初にグラウンドを見たときの晴れやかさは、ちょっと言葉にできないものがありました。
…嬉しかったなあ。

◆球場飯とお手洗い

10日観戦組のお話をしっかりチェックしてから現地に行けたのはとても大きかったです。
今後野球観戦に行く場合は、ある程度事前の情報を得てからの方がいいかもしれません。

確かに前情報通り、飲食店の半分は開いていなくて、もつ煮込みも無し。残念…。
6回裏終了後には閉店してしまうのと、そもそもの販売量が少ないという話も伺っていたので、試合前にそそくさと買い物を済ませました。

私が買い物をした時に長蛇の列だったのは選手コラボメニューのある店舗だけで、あとは普段通りかなあ…という感じ。
観戦予防のおかげで、食品にフタがついたまま提供されるのは地味に嬉しかったです。
でも、マリンって交通系IC使えなかったっけか…?せっかくチャージしたのに…。
そのあたりの地味なマイナーチェンジなどは、今後も要チェックかもしれません。

お手洗いの入り口にも消毒液。
普段は置いてないような紙タオルも設置してあるし、頻繁にスタッフさんが清掃に来ていたことにびっくり!

お手洗いだけではなくて、どこもかしこも消毒液を手にしたスタッフさんがいたり、手すりのお掃除してたりと、働いている方もやることが増えていて大変そうでした。

◆座席での印象

座席に着くと必ず前後1列は空いていて、両隣とも2~3席空席が保たれている環境は非常に快適でありました。近くを見れば人が少ないと感じ、周りを広く見渡せば意外と人がいる!という不思議な光景
特に昨日は風が強くて雨が降ったりやんだりの荒れた天気で、荷物を空いた座席に置けたのはむちゃくちゃにありがたかったです…。

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売り子さんがいないというのは案外普通に受け入れてしまって、アルコール販売も無いことが影響しているのか、普段よりも試合中に立ち歩く人も少なかった気がします

特に感染者が日に日に増えている関東圏だからか、他地域での試合よりもとにかくおとなしい。ニュースやテレビ中継で見る他球場よりも明らかに。
応援も無く、歓声もない。耳からの情報が極めて限られてくるので、シンプルに野球に集中したいひとにとってはうってつけの環境かもしれません。

その分、ルール違反は目立つ…。
ピクニックボックスから、なかなか愉快なピクニック感が漂っていていたのは大丈夫だったのか…。
それと大声での声かけもあるにはありました。応援したい気持ちはわかるけれど、それは逆効果じゃないのかなあ…なんて。

◆試合中のようす

もうこれが、めちゃくちゃにしんどいとは思わなかった。

たぶんひとりじゃなかったら…とか、試合に勝ってたら…とか、ホームだったら…とかなら、変わっていたかもしれない。
でも声を出せないということが、とてつもない孤独を生んで、フラストレーションでいっぱいになるのは、つらかった…。

目の前でとんでもないエラーが起きたときも、ピンチの投手に応援をしたいときも、ホームランが入って得点が入って喜びたいときも、一旦息を呑みこんで、周りの状況を一瞬で判断して、このくらいならいいだろうか…と自分を押さえて感情を表現することのしんどさ

喜びも怒りも哀しみも、全部一度噛み殺さないといけないことがどれほど難しいことか。テレビの前ならともかく、その光景が目の前に広がっているというのに!

さらにビジターである。
周りに比較的ライオンズファンが多い環境だったけれど、それでも圧倒的にマリーンズファンが多いから、拍手の音は明らかな差。
どれだけ応援の気持ちを伝えたくて大きな音で手を叩いても、かき消されて向こうの音に混じって消えてしまうのは、応援が大好きな身からするとなんだか絶望のように感じて…。

試合にも負けているのに、応援でも負けている気がしたのは本当に落ち込む。声援を出すことは選手と一緒に戦っている気持ちになること。それが出来ないもどかしさ。

応援は、選手を応援するためでもあるけれど、あくまでそれは自己満足で。
どちらかといえば、選手を応援すると同時に自分自身を鼓舞する大切なものであるということを痛いくらいに痛感しました。

負けていたとしても、大きな声で飛んだり跳ねたりしながら歌って、それだけで全然気持ちの持ちようは変わっていたんだな…ということを知るんです。こんな形で。
特にライオンズの応援は特徴的で楽しいものが多いから、尚更つらい。
いや、それだけじゃない!マリーンズの応援だって大好きだ!マリーンズの応援が聴けないのもさみしかったです。おぎーのたかーしー!って、口ずさみたかった。

でもマリンには感謝しているのです。
ホームチームの応援歌だけ場内で流す球場もある中で、それをやらなかった配慮に。
勿論応援歌を流してくれればホーム側のファンとしては嬉しいけれど、ビジターファンの孤独は深まってしまうので。
流してくれてもいいんです。それは各球団の判断なので否定はしません。でも、昨日の私にとっては心からありがたかったです。

選手の皆さんはいつも「ファンの皆さんの応援のおかげで~…」みたいに仰ってくださるけれど、ファンの皆さんの応援に救われていたのは、何よりもいちばん私の方だったのです

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試合には負けてしまったけど、今のところビハインドの場面でしか見られない大好きな森脇亮介さんの好投を見られたのが、本当に本当に嬉しかったので、ありがたく誕生日プレゼントとして受け取っておきます…。
もちろん鈴木のプロ初HRや伊藤翔の快投も嬉しかったです!!!

◆総括

色々言ったけど、やっぱり生で野球が見られたのはめちゃくちゃ嬉しい!!!

心から思います。やっぱりプロ野球が好きだって。生で野球観戦することが大好きだって。
今回前代未聞の一大事の中、数多くの関係者の方々が開催に至るまで多大なるご尽力をしてくださったからこそ、我々観客がこの環境を享受できたこと。そして言うまでも無く、医療関係者の方々の命をかけた闘いがあったからこそ今日という日があること。感謝の気持ちしかありません。

声を出しての応援ができないことのつらさは当然ありますが、その分キャッチャーミットにボールが吸い込まれる音、バットにボールが当たった時の衝撃、スイングの音…。テレビで無観客試合を見ていた時よりも、はるかに恰好良くて、痺れる
何気ない守備の好プレーにも終始ドキドキしてしまって、幸せを感じずにはいられませんでした。

例年より間違いなく参戦する数は減ると思いますし、今後も感染状況によっては油断できない日々は続くと思います。
それでも、昨日聴いた谷保さんの声に「ずっとこの声が聴きたかったんだよ…!」と涙ぐみましたし、ようやく聴けた今年最初の「パシフィックリーグ公式戦…」のアナウンスには、めちゃくちゃ顔がゆるんでいたと思います。マスクをしていてよかったです。

この状況を守っていくために、我々にできることを粛々と続けていきたいと強く思いました。

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