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本と父、そして姉

ふと、教習所へ行くまでの自転車を漕いでる時間に考えた。
本と父、そして姉について。
いつもはそんな事も考えずに、片耳イヤホンで音楽を聴いて(よろしくはない)教習所までの道を走るのだが、今日はたまたまイヤホンを忘れた。
イヤホンを忘れたから考える時間ができた。
私も、世間一般の若者と同じようにスマホに依存気味である。
だからこうやってスマホから一度離れて、たまには何かを考える時間も必要であると実感した。
別に無理にスマホから離れて、無理に何か考え事を捻りださなくても良い。
たまには何も考えずに、走ってみるのも良いかもね。

さてさて、その考え事っていうのが「本と父、そして姉」についてである。
最初は本について考えていたが、そもそも本を読む機会が何だったのかを思い返した。

私を形作ったものとして、欠かせない存在が本であり、その本を読む事を勧めたのは父であった。

あれは中一の時、父親が重松清の「卒業ホームラン」という本を薦めてきた。
私はそれまで本と言えば「かいけつゾロリ」ぐらいしか(かいけつゾロリも素晴らしい作品です)読んだことがなく、小説は読まず嫌いであった。
そのため、父親から貰った本を当時遊びに行くとき、いつも持ち歩いていたリュックに入れっぱなしにしていた。

ずっと放置していたが、ある時友人が自分のリュックを漁り、本を見つけた。
本を前々から好む友人は「読んでも良い?」と私に尋ね、特に断る理由もないので「いいよー」と軽く応えて貸した。

そして数日後、その本を読み終わった友人は私にその本を絶賛した。
その勢いに押され「本ってそんなに面白いのか、じゃあ読んでみよう」となった具合である。
こうやって思い起こしてみると、友人のおかげでもあるな…、ありがとうY君。

ただ父親は私に本を貸しただけではなかった。
父親の部屋にはいつも本が沢山置いてあり、読みたくなったらそこから適当に本を引き抜いて読む、というように読書の環境が整っていた。
やはり父親の本においての恩恵は大きい。

訳あって現在父親とは別居しており、自分自身父親には怖いイメージがついている。
礼儀や躾にやや厳しく、サッカー指導はスパルタ、ヘビースモーカー&アル中、女性関係も緩い、などなど文字に起こすと改めて散々だと思った…(笑)

だけど最近、姉が父親に歩み寄ってる姿を見て、少しばかり父親に対する拒否反応も薄れていってる自分に気づいた。
人は一度苦手になると、悪いところばかり見てしまいがちである。
しかし、父親は経済的に私を支えてくれ、留年した1年の学費まで怒りもせずに賄ってくれた。
姉がこの間話していたが、親は「子供を産んだ」それだけで既に役目を果たしているという。確かにそうかも。
さらに前述した読書の環境も父からの恩恵である。
この事を忘れてはいけない。

そしてそれを思い出すきっかけとなった姉の行動は素晴らしい。
姉は私の1番の理解者と言っても過言ではない。
何か気づきがあったり、オススメの本があったり、悩みがあったり、その度にLINEをするほど仲がいい。多分。  
2人でお茶をする度に現状報告をし、お互いにインプット、アウトプットを繰り返す。
まるでビジネスパートナー。

この間合コンに行ったとき、みんなそれぞれバラバラな兄弟構成をしていた。
1人の女性は弟と妹が1人ずつ、もう1人の女性は兄が1人、1人の男性は妹が2人、といった構成である。
その中で姉はどうだ?(抽象的な質問だが、良いか悪いかの質問だと認識)という質問に対し、「姉はね、良いですよ〜〜!」という答えにみんながビックリした。

普通、こういった場では兄弟の愚痴を話すのが一般的であるようだ。
そういった場でも姉を好評する、そして好評される姉は相当素晴らしい姉なのではないだろうか。
自慢の姉を持てて、弟は鼻が高い。

お互いの将来が楽しみである。

家族については語りきれないので、また今度話したいな。

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