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ロゴの価値を組織に伝え、"らしさ"を表現する ー アトラエロゴリニューアル1年半の軌跡 ー

株式会社 アトラエのUIUX デザイナーのあらかき(@dillustxx)です。
アトラエはテクノロジーで人の可能性を拡げるPeople Tech事業を手がけ、IT業界に強い転職サイト Green , ビジネスマッチングアプリ yenta, 組織改善プラットフォーム wevox を運営している会社です。

このたび、約1年半に及ぶロゴリニューアルに決着がついたので、皆様にお披露目いたします。

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今回のリニューアルプロジェクト、初めはデザイナーチームが感じたちょっとした違和感(後述します)から始まりました。しかし、進行過程で"アトラエらしさ"を形作るには様々な困難が発生し、1年半に亘る大プロジェクトに発展しました。

今回はこのロゴに至るまでの軌跡を中心に、ロゴの価値を組織に提案しながら、どう"アトラエらしさ"を形作っていったのかの1年半を「全公開」したいと思います。

プロセスも含め気になる方は是非最初から、ロゴコンセプト、アウトプットを知りたい方は"ようやく決着へ。新ロゴはこちら"からお読みくださいませ。

ロゴリニューアルのきっかけ

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アトラエのデザイナーは事業部横断でデザイナーチームとしての活動をするく側面があります。チーム名をAtrae Design Center(以後ADC)と記載します。ADCはアトラエのデザインスキルやナレッジを共有しあったり、コーポレートに関わるデザインを担当したりします。

きっかけは僕の入社前に遡ります。ある時、ADCで「コーポレートサイトを"アトラエらしいもの"にしたいね。」「そうえば、ロゴってどういうコンセプトで今のロゴなんだろう?」となって代表の新居に現在のロゴの成り立ちの話を聞いてみると、「ランサーズで依頼して即席で作成したもの」と知りました。

「意味を込めたロゴにしたい」

そういった些細な話がきっかけでこのプロジェクトは始まり、ロゴチームとサイトチームに分けることになりました。

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代表の新居にこの話を伝えてみると、「そこまで言うなら、いいんじゃない?デザイナー陣で好きに進めてみて。」とのこと。そこから、ロゴ変更に想いのあるメンバーが通常業務のアドオン、いわゆる20%ルールでプロジェクトは進行していきました。

※20%ルールとはGoogleで運用されていた制度で、業務時間の内の20%を「普段の業務とは異なる」業務に当てて良いという内容で、アトラエでも存在している考え方でした。

アトラエはいわゆるティール組織のような形態ですので、自分たちの自主性が組織を運営、加速させていく上で重要になってきます。だからこそ、世界中の人々を魅了する会社にするために必要だと自分が信じたものを形にしていく必要がありました。

困難への衝突と挫折

プロジェクトはいきなり難航することになります。

・ "らしさ"とは何か。
・ 通常業務を並行する中でどう進めていくか。

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当時のアトラエのCIを形作るものとしてVISIONとVALUEがあり、その要素をベースに"アトラエらしさ"とは何かを対話しながら、パターンを出し、議論していきました。しかしロゴを評価する基準を持てず、"アトラエらしさ"とは何なのか。

という議論をぐるぐるしていました。

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そしてコーポレートサイトチームでも議論を進める中で同様に、"アトラエらしさ"とは何か"という壁にぶつかってしまいました。まずは、コミュニケーションの起点となる"アトラエらしさ"の言語化、その前段階のロゴから考えていかなければ、サイトを進めても統一感は無くなってしまうという方針になりました。

加えて、このプロジェクトは20%ルールで行われていたため、どのデザイナーメンバーも通常の事業部での業務がメインであり、時間の問題とプロジェクトを進めていくモチベーション維持の問題が生じていました。

プロジェクトの再始動

プロジェクトの困難を打破する術を見つけきれなかった矢先

プロジェクトに新しい風が吹き込みました。アトラエスタンダード(通称アトスタ)という、アトラエが目指す理想の組織に必要であろう要素を集約した我々の大事にしたいVALUEがリニューアルされ、CIがアップデートされました。(アトスタプロジェクトの詳細はこちら

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今までVALUEと読んでいたものをPHILOSOPHY(経営理念)と解釈し、VALUEをアトラエのメンバーが持っている共通価値観と解釈しなおしました。

そしてアトスタが刷新されたことにより、サイトをリニューアルしたい、ロゴをリニューアルしたいというものではなく、CIをどうしていくのかという前提でADCで再び議論を重ね、プロジェクトを再始動していくことになります。僕自身、20%ルールだからできないという言い訳をするのはダサい、ロゴを変えることでさらに上のステージにアトラエを持っていきたいという想いが増し、メンバーとも本当に何のためにやるのか、どうなったらよりワクワクするヤバイ組織になるかをチームメンバーとも話し、自分が不安に思っていることもぶつけ、もう一度再始動となりました。

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まず手始めにロゴのアップデートに注力し、16周年を迎える今日を期限として進めることになりました。

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(マイルストーンとかざっくりすぎてw今見るとひどい。)

"らしさ"を評価する難しさ

まず"アトラエらしさ"を形作る中で、アトラエのロゴとは一体なんなのか。何を表現するのか。という問いをおきました。

アトラエは組織体系として一人一人の内発的動機が重要になるため、"らしさ"を形作るコミュニケーションの共通言語が必要です。

ロゴの立ち位置を"アトラエらしさ"を視覚で表現したものと定義し、アトラエメンバーが"らしさ"を想起する点、共通言語を増やしていくことになりました。

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アトラエのビジョンは抽象的な概念がゆえに、魅了という言葉の一つとっても解釈が一人一人異なります。

世界中の人々を魅了するためには、個人から発揮される価値は、人と違うほうがより魅了の幅は広がります。そのため、"アトラエらしさ"自体を言語化することはしませんでした。

ロゴの制作の手始めにまず、"アトラエらしさ"をアトラエのブランドと考え、アトラエという人物はどんな人物かメンバーにヒアリングをしました。

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その言葉をベースにブレスト的にロゴをプロトタイプしていきました。

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出してみたものの、この先の議論は難化していきました。ロゴのアウトプットをベースに一人一人が思う"アトラエらしさ"が想起できるVIとは何か。

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対話を重ねる中で、方向性としては4案に絞られました。
不完全な様を表し、自分が何をすべきか問うコンセプトや
誇りを背負う様を表すもの、有機的に変えていく、変わり続ける様を表した動きのあるもの、一人一人が何を表現するのかを問う様を表しダイナミックアイデンティティの手法を取り入れたものなどが出てきました。

ADCとしてはどれも"アトラエらしい"。この"らしさ"を評価する基準を持てずボードMTGへ提案しにいくことにしました。

ロゴを変える価値とは何か

ボードMTGで提案をすると、4つの案以前に、組織として何か、大きな方向転換をするわけでもないのに今変える必要性はどこにあるのか。という話になりました。アトラエは今も昔も大事にしている要素は変わらないと。

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通常ロゴは市場とのコミュニケーションを変えたい場合や、組織の経営体制を変えていく場合に変わっていくことが多いです。

しかし、アトラエの今回のケースでは、上記のようなものがきっかけではなく、きっかけはロゴに意味がこもっていない。意味がこもっていないことの課題は何か。

ロゴの価値とは何か今変える価値とは何か。をADC、ボードメンバーと議論を深め、見定めていきました。

結果、CIはアップデートし続けていくものであり、そのコミュニケーション起点になるロゴは、アトラエメンバーがより一層覚悟を持ち、一人一人がアトラエを引っ張っていく意識を持てるものにしようとなっていきました。

アトラエの組織としてのユニーク性を象徴できるロゴへ

議論を重ねる中で、アトラエの思想や大事にしたい想いは創業当時の代表新居の想いを起点に全く変わることなく、組織を運営していることを知りました。そしてアトラエのユニーク性は今後も変わることはないだろうとも同時に思いました。

そのため、アトラエがアトラエであり続けるために、アトラエメンバーが"アトラエとは何か" 、"これからVisionを達成するために何をなしていくのか"という強い当事者意識を持つことが何より大事であり、アトラエという組織のユニーク性はそこにあると判断し、ロゴのリニューアルを市場とのコミュニケーションを変えるCIのアップデートではなく、メンバーが一層の覚悟を持ち、アトラエが今以上に1段も2段も上のステージへ向かう出発点になるロゴにアップデートしよう。とチームで決めました。

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全員が本気でチームの夢を追いかけられる、そんな理想の組織を創ってみたい。という代表新居の想いのもとできたアトラエですが、本当に全員が本気でチームの夢を追いかけるには、東証1部に上場しても、働きがい1位の会社になっても、会社という仕組みに甘え、属するのではなく、メンバー1人1人が自らが舵を切る意志を持つことが大事です。

オーナーシップを持ち続けることがアトラエの組織体系を維持する上では大事だとなり、当事者意識の持ち方の細かいニュアンスまで議論をし、絞っていきました。

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議論の末、アトラエスタンダードの1つでもある、Atrae is Me.(当事者としての意識)というコンセプトが"アトラエの当事者意識"を一番表す言葉であるという結論に至りました。

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そして組織内へ何を伝えていくのか、その結果市場へどのような認識が生まれるのかを議論しました。

最終的に組織内への影響を考えた場合に、チームへの甘えが生じないもの、より責任を強く持てるものを選択し、ロゴの決定となりました。

ようやく決着へ。新ロゴはこちら

コンセプトの磨き込み、フォントや1px単位のバランスを調整し最終的に出来上がったのがこちら

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アトラエを引っ張るのは自分自身だ

一人一人がアトラエを引っ張るメンバーである。

コロンの解釈としてX:Y => XはYであるを

メンバーの名前 : Atrae
メンバー1人1人がAtraeである

等号の意味としてコロンと解釈をし、会社がメンバーを引っ張るのではなく、メンバーが会社を引っ張る様を表現しました。

内定者であろうが、新卒1年目であろうが、10年戦士であろうが、会社が自分に何かしてくれると考えるのではなく、一人一人が会社のために自分が何ができるか考える組織であり続ける決意を込めロゴをアップデートいたしました。

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アップデートの細かいプロセスや、役に立った本や記事などを簡単なスライドにまとめて後日公開しようと思います。

これからの決意


創業16周年を記念して、このロゴのアップデートのタイミングで特設ページを作成しました。アトラエという会社を初めて知った方も、すでに知っている方も覗いていただけると幸いです。

最後に

今回のロゴアップデートがこうして無事形になったのは、以下のポイントがあったと思っています。

・プロトタイプと対話
・自分たちで自分たちの会社を作るという意識

人は言葉だけで議論をしてしまうと、その人が解釈している言葉の概念が異なるので同じ言葉を聞いても反応が異なってしまう場合があります。

情報のレイヤーを揃えながら、アウトプットすることでより議論が加速し、共通認識が取れていく。プロトタイピングはデザイナーとしての価値だと思うので、いかに早い段階でプロトタイピングを対話の場に持ち出すかは重要だと感じました。

ボードメンバーへの気軽な相談。プロトタイピングを見せることで、思っていたよりもメンバーの想像が広がり、意見がたくさん出てきました。アイデアがたくさんでれば出るほど、変える理由や前に進めるにはどうしたらいいかの議論が自然に出て、もっと早くしたらよかったと今では反省をしております。笑

まさしくこのロゴのコンセプトなのですが、自分たちの会社をどう引っ張るのか。ADCの挑戦となった今回ですが、自分たちの組織だから、より良い組織にしたいよね。そのためにはどうしよう。そこにあるのは特別なhowがあるのではなく、根底の熱量だとかエンゲージメントの高さとかが結局大事で、その熱量の上にしか特別なhowとかtipsは乗ってこないのかもしれません。

最後に今回のプロジェクトを担ったチームメンバーの紹介をして締めようと思います。

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アトラエを引っ張るデザイナー陣たちです。
Greenを引っ張る紺谷 / yenta を引っ張る平根村上 / wevoxを引っ張る木下・竹田・そして僕新垣 / 今年からジョインした強力な新卒三上

サービスによってデザインするものも様々です。どのサービスも誇りを持って価値を提供できるようにアトラエにデザイナーは組織も事業にもどんどん口を出し、手を出し、色んなものを創っていきます。経験やバックボーンも様々な面白いメンバーが勢ぞろいしています。

採用も積極的に行っています。まだまだCIも事業もアップデートし続けていきます。これからのアトラエを引っ張りたい方は是非お気軽に連絡ください。

Atrae Barに遊びに来てお酒を片手に話してみたい。くらいの温度感でも大歓迎です。




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Keigo Arakaki / Atrae, Inc.
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