股関節を制する者はダイエットも不調も制す
季節の変わり目になると気合いを入れて取り組みたくなるのがトレーニング。
メリハリあるボディを目指して勢いよくトレーニングをするけれど、
慣れない動きに体のあちこちが痛くなり、気づいたら諦めてしまうなんてことはないでしょうか?
脚が太い、
ひざや腰が痛い、
お腹の脂肪が落ちない……。
こういったボディラインの悩みや不調の原因は、もとをただすとそのほとんどが股関節の動きの偏りにあると言っても過言ではありません。
今の股関節の状態はどのくらい?
まず、
今の股関節の状態をチェックしましょう。
NGに当てはまった人は、
股関節が硬い証拠。
それが、やせない、太りやすい、
そして不調をかかえる原因かもしれません。
Q.片脚開脚をしたとき、伸ばしたほうのひざとつま先が真上を向いていますか?
◎伸ばしたほうのひざとつま先が、自然と真上を向いている
伸ばした脚のひざとつま先の向きをチェック。ひざ頭とつま先が真上を向いていれば、柔軟性は適正です。
×足が内側に倒れている
足が内側に倒れる人は、股関節が内側方向に硬くなっています。ふだんから骨盤が後傾し、お尻の筋肉を使えていないおそれがあります。
股関節をほぐすとなにがいいのでしょうか?
股関節は全身の関節や筋肉とつながっているので、
しっかり動かしてほぐすと、
やせる体づくりに直結します。
人の体には600以上の筋肉がありますが、数でいうと8〜9割は骨格を支えるインナーマッスル。
ところが、
股関節の硬い人はこれらがほぼ使えていません。
インナーマッスルは体のメリハリを形づくるアウターマッスルと連動し、スタイルアップをサポート。例えば、股関節につながる腸腰筋が働くとお腹を引き上げて、お尻のインナーマッスルが働くことで、ヒップアップや内ももが引き締まるという変化も現れます。
また、股関節のインナーマッスルは下半身の大きな筋肉ともつながっています。
大きな筋肉=エネルギーをたくさん消費してくれる筋肉。つまり股関節をほぐすと、怠けすぎて弱くなっていた筋肉が働き、やせやすい体になります。
偏りがあると、負担がかかりすぎる部分は太くなり、怠けすぎて弱い部分はいつまでたっても脂肪がついたまま。
だから、スクワットをしても脚が太くなる、
痩せない……といった問題が起こるのです。
もう一つ見逃せないのが、股関節を通り、全身の筋肉につながる筋膜。
股関節を動かすと、
筋膜を通してさまざまな筋肉が連動します。
すると体が動きやすく活動的になり、
血液やリンパ液の流れを促して
スッキリするなど、プラスの変化が次々に起こります。
•股関節が硬いことで起こる症状とは?
筋肉に負担がかかりすぎることや、筋肉が怠けすぎることによる不調や痛み。
股関節が硬い人の体には、
怠けすぎて弱い筋肉がたくさんあります。
すると“頭は疲れているのに、
体は疲れている部分が一部だけ。
ほとんどの体の部位が疲れていない”状態になり、“眠れない”“疲れがとれない”という不調が現れます。
股関節をほぐせば、
怠けすぎて弱くなっていた筋肉が目覚め、動いた分だけ筋肉も疲労します。
それにより、“眠れるようになる”という、ほぐしによるよい変化が現れます。
•神経系にかかわり、痛みやしびれのスイッチが入る。
股関節の周辺にはたくさんの神経や動脈、大きなリンパ節が集まっています。
股関節が硬くなれば、血流やリンパ液の巡りも悪くなって神経を圧迫し、しびれたり、むくんだりといった不調を起こしやすくなります。
•血液やリンパ液の巡りが悪くなる。
大事な要素が集中する股関節をほぐすことで、全身の血流や巡りがよくなり、結果が出るのも早いのです。
また、自律神経の通り道である背骨が整うので、交感神経と副交感神経のスイッチが切りかわりやすくなります。体だけでなく、気持ちや睡眠の面でもよい影響が期待できます。
【大切なのは、偏りなく股関節をほぐすこと!】
体の土台であり、
本来はさまざまな方向に動くはずの股関節も、偏った使い方を続けると、硬く、動きにくくなります。
すると「負担がかかりすぎて硬い筋肉」と「怠けすぎて弱い筋肉」の偏りが生じます。
これらの筋肉は、
交差した位置関係で現れます。
例えば、座る時間の多い現代人は股関節が屈曲して硬くなりがちで、
腰が後頃して頭が前に出たねこ背姿勢に。
するとお腹やお尻はゆるみ、
背中が張ってパンパンになり、
肩は張り、あごがゆるんだりします。
全身のゆがみは、代謝の低下や痛みの引き金になり、太りやすくなったり、肩こりやひざ、腰の痛み、全身疲労などさまざまなトラブルの原因に。
大切なのは土台である股関節をほぐし、
偏りなく整えること。
ダイエットしたい人も健康になりたい人も、それが確実に体を変える最初の一歩であり、いちばんの近道です。