〜交流人口増加に向けた新たな取り組み〜 編集 株式会社 小西美術工藝社 社長デービッド・アトキンソン 氏 講演
最近、どこに行っても外国人が多いな、そんな感覚を持たれたことはないでしょうか。
私はある種の違和感を持って外国人観光客の多さを見ているところがあったのですが、これは明確な政府の戦略のようです。
先日上記テーマについて講演を聞いてきました。
2010年の私の町の人口は81万人、これが2025年には76万人、2040年には67万人に減少する見込みになっており、人口減少=地域経済の衰退を意味する。
対策として定住人口増加を狙い、
〇 企業、工場誘致
〇 UJIターン
があるが、日本の人口自体が減少傾向にあっては何の意味もない。
日本の生産人口について見てみると、2015年から2050年にかけて、3200万人に減ることが明らかになっている。かつ、この流れは1972年から既に起きているのであって、つまり手遅れの状態にあるのだ。
そこで考えられるのが≪交流人口の増加すなわちインバウンドである。ここに政府は力を入れており、2010年からら2017年にかけてインバウンド人口は300%にアップしている。
観光誘致の昔の戦略は「歴史」、「文化」だった。しかしどうだろう。欧州からの旅行者の平均滞在期間は2週間。1日目の朝から寺、寺、寺、お昼を食べて、寺、城、寺。2日目は神社、寺、神社、寺、寺・・・。まるで修行である。途中からA寺とB寺の違いはわからなくなるだろう。
おもてなし、治安が良い、新幹線が正確、ではもはや観光資源としては弱い。日本に来てわざと財布を落とし、滞在先のホテルに届くかな!?と試す外国人はいないだろう。
それを省みて、最近の戦略は自然4、文化2、気候(アクティビティ)2、食事2という割合でのアピールだ。地元の観光資源に対して多様性を持たせることで、観光誘致能力の増大につながる。
差し当たって我々の地元の観光資源は、食と癒しだと考える。癒しに関しては、気候(アクティビティ)として山、ビーチだ。
山に関しては長野県の如くスキーをもっとアピールするべきだろうし、ビーチに関してはほぼ手つかずだ。
京都の景勝地として有名なある町では、お盆過ぎのビーチが外国人に人気となり、にわかに活気づいている。日本人の感覚だとお盆過ぎに海に入ると、亡くなったおばあちゃんに足を引っ張られる等言われ馴染まないが、なんのことはない。外国人から見れば≪ビーチ≫なのだ。このように見方を変えるだけで観光資源になるのだ。
今回は経営とは全く関係のない内容でしたが、地元のこれからを考える意味でもインバウンドという流れが政府レベルで起きている、ということについてレポートさせていただきました。