ISUZABU デザイナーインタビュー#1
椅子専用座布団ISUZABU (イスザブ )を発売したのは、2019年12月。企画自体はその年の4月から動いていました。その4月から発売までの7ヶ月は本当にあっという間でした。先日イスザブ を扱っていただいているアシストオンさんより、デザイナーである弊社社長へのインタビューがありました。せっかくなのでここでも紹介させていただきます。
どんな思いから始まった企画なのか。私たちジスクリエーション はどんな風にこの企画を形にしていったのか。少しでもお伝えできればと思います。
製品をつくる、きっかけとなった出来事を教えてください。
「我々が考えるクッションとは、
座っている姿勢をカラダに負担がかからない、理想的な姿勢に調整して、維持する道具である」
ジスクリエーションを立ち上げて16年経ちますが、まくらとクッションの専業メーカーとして一貫して眠りや暮らしにこだわってものづくりをしてきました。
クッションというと、ソファーの上で使うスクエアのいわゆる背当てクッションやお尻の下に敷いて使う座布団や椅子に置いて使うシートクッションなどが思い浮かぶかとおもます。
おそらく何個か皆さんお持ちでお使いいただいていると思います。
我々が考えるクッションとは、座っている姿勢[座姿勢]をカラダに負担がかからない、腰が痛くなりにくい理想的な姿勢に調整して、維持する道具であると考えております。
しかしながら機能性だけの商品を愛着を持って永く使っていけるかというと
やはり心が通わないというか、ドライな感じになってしまい、少し傷んだら押し入れに入れて使わなくなったり、捨ててしまうこともあるかと思います。
それって作り手として悲しいですよね。
でも自分が一ユーザーとして考えたら、やっぱり美しくて、質がよくて、心地よくなかったら愛着を持てないと思うんです。
私自身、仕事柄、どうしても長時間座っているので、腰痛持ちですし、座姿勢の崩れをいつも気にしておりました。
オフィスはまだ機能性の高いオフィスチェアを使用しているので多少マシなのですが自宅のダイニングに座って、読書やパソコン作業をしているときに
普通のダイニンチェアだとお尻が痛くなってくるし、疲れも出て、集中力が続かなかったんです。
椅子に座っていて、リラックスしたい時、集中したい時どちらももありますよね。でも一つのクッションで両方のシーンに対応したものって意外にないんです。
普通のダイニングチェアで一日中、良い姿勢でいるのってむずかしい。集中しようとして背筋を立てると、どうしても背中に空間ができてしまい、疲れてしまって持続できないんですよね。かといって背もたれに持たれてしまうと作業がしづらい。
椅子に座っていても、リラックスしたい時、集中したい時どちらももありますよね。
でも一つのクッションで両方のシーンに対応したものって意外にないんですよ。
弊社でも姿勢を整えるためのサポートクッションは、今までにもたくさん開発してきました。他社からもたくさん発売されているかと思います。どれも確かに姿勢を良くする効果はあると思いますが、ずっと長く座ってられないんです。
人間は同じ姿勢を長くしているとやはり苦しいんですよね。
リハビリなどを行う姿勢のプロの理学療法士の先生からも言われましたが一番良いのは定期的にしばらく立って、直立姿勢になって姿勢を変えることだと。
でもそれが難しい場合は、ストレッチして背を伸ばせるような少しのリラックスが大切とのこと。
なので集中したいONの時には、背筋を立てて座れてちょっとゆるめたいOFFの時は、椅子に持たれて伸ばせるようなクッションを作りたいと漠然と以前から考えておりました。
たまたま別件でオーガニックコットンを使用した座布団を作りたいというお話をいただき、工房にお邪魔した時に出会った長座布団。
そんなときに、たまたま別件でオーガニックコットンを使用した座布団を作りたいというお話をいただき、その件で国家資格の寝具技能士一級をお持ちの座布団職人さんと一緒に仕事をすることがあり、工房にお邪魔したときでした。
「長座布団」というホームセンターとかにいけば置いてある、こたつと一緒に使用する横長の座布団を作っていらっしゃって、座らせていただくと、普通の座布団と違って、ふんわり感があるのにしっかりしていて、潰れない。
私のイメージとは大分違っていたんです。
聞くと、芯材に通常の座布団では使用しない、高級な敷ふとんなどに使用する綿の繊維を直立させて固めて整形した「テイジン V-LAP」を使用しているので座布団のデメリットである、ヘタリをかなり低減できて、長持ちさせられるとのこと。
普通の芯材につかう固綿は、薄いものを上に重ねて積層して厚みを出すので
上から荷重がかかると弱く、だんだん沈んでかさが減ってしまいますが「テイジンV-LAP」はわたを直立させて列にして並べて行くようなイメージ。
だから上からの荷重にとても強く、折れたり、潰れたりしない。それが座布団の短所を消して、使い心地を高めていたんです
この使用感は、私の考えていた
座姿勢を支える道具として理想的な使い心地だったんです。
最初は、座布団なので普通に床に敷いて座っていたのですが、ふとひらめいて、縦向けにして椅子の上に置いて座ってみたんです。
そうしたらちょうど椅子の座面から背当てまで全面を覆って、継ぎ目がないので、お尻から背中までが一体的に支えられて、すごく心地よかったんです。
ウレタンフォームのクッションとは違う、座布団特有のふんわり感の中にしっかりと支えられている感じがあり、それが違和感なく一体となっていたので、心が落ち着く感じがしたんです。
もちろん座布団職人さんの高い技術がベースにあるとは思います。でも綿わたをシート状に加工してそれを芯材に巻いて詰めていく座布団特有の構造がウレタンフォームとは違った、側生地と中身の一体感を生み出していると。そう気づきました。
この使用感は、私の考えていた座姿勢を支える道具として理想的な使い心地だったんです。
この日本に古くからある座布団の技術を生かせば理想的な座姿勢を支えるクッションが作れる
また座布団職人さんにお話をいろいろと伺うと古い技術のものなのに、座布団がなぜ今日まで日本で使われているかを教えていただき目からウロコが落ちるようでした。
日本は高温多湿の気候なので、長時間座るとどうしても蒸れやすい。
でもほとんどの椅子に使用されているウレタンフォームや木材は加工されていて吸湿性はまったくないため、それが不快の原因である。
座布団は綿のわたでできており。とても汗を吸うので、夏でもほとんど蒸れないだからエアコンなどなかった時代から変わることなく重宝されてきたとのこと。
これはウレタンなどの化成品では、技術が進化しても未だ超えることはできていない。しかし天然繊維なので、製造する際に手仕事の技術が必要なことや均一に安いコストで大量生産することが難しい。
なので時代とともに工場で簡単に大量生産できる化成品が主流になってしまったとのことでした。
それでもこだわりのある旅館や和食店、そういう天然の知恵を生かした暮らしをされている方からは、待ってもいいからぜひ作って欲しいという引き合いはかなり多いとのこと。
そんな話を伺っているうちに、この日本に古くからある座布団の技術を生かせば理想的な座姿勢を支えるクッションが作れると思い、
それをベースに、弊社で培った姿勢を支える技術やナレッジを組み合わせて
現代のライフスタイルに合った「ISUZABU(イスザブ)」をデザインしました。
ISUZABUデザイナーインタビュー#2 (続きはこちら)
2021年2月17日〜3月15日18:00 まで、makuakeにてNEWカラー先行予約受付中!