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中学受験 時事問題の最重要POINT③


これまでの記事に引き続き、2025年入試で出題可能性が高いテーマについて紹介していきますので、是非学習を進めるうえで参考にしてみてください。

2025年入試で出題が予想されるテーマ

BRICSが9か国に

BRICS(ブリックス)」とは、新興5カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の頭文字を取ったものです。
豊富な資源と人口を有する国々の集まりでもあり、世界経済のけん引役とされています。

また、2024年から4か国(イラン、エジプト、アラブ首長国連邦、エチオピア)が加わり、合計で9か国体制となりました。
※BRICSの9か国の位置と主な特徴を押さえておくことが望ましいです。

インドネシアの首都移転

インドネシア政府は、首都ジャカルタへの一極集中や交通渋滞を解消するためなどとして、首都をジャカルタから1500キロ以上離れたカリマンタン島の東部に建設する新都市「ヌサンタラ」への移転に着手し、2045年までに移転を完了させる計画です。
インドネシアについては、人口が世界4位であること、そして世界一イスラム教徒が多い点も押さえておいてください。

クマによる被害が過去最多

環境省は、2023年度にクマによってけがや死亡するなどの被害を受けた人の数が、統計のある2006年度以降で過去最多だったと発表しました。

2024年4月、クマを「指定管理鳥獣」に指定し、駆除対策が強化されました。北海道のヒグマ本州のツキノワグマが対象で、四国は対象外としました。
指定管理鳥獣とは、環境大臣が定めた集中的かつ広域的に管理を図る必要がある鳥獣であり、すでにニホンジカ、イノシシが指定されています。

インバウンド消費5兆円超で過去最多

2023年訪日客のインバウンド消費(外国人の日本国内での消費)5兆円を超え、過去最高だったと発表されました。
同年の訪日客数は、コロナ禍前の2019年の約8割に回復しました。
日本独自の「伝統文化」や「伝統料理」が訪日したい理由の上位に並び、加えて治安の良さも訪日客をひきつけているとのことです。

その一方で、国内の多くの地域で、オーバーツーリズムが問題となっています。
オーバーツーリズムとは、過度な観光地化によって、地域住民の生活環境や観光客の観光体験に悪影響を与える状態のことを指します。

例えば、外国人観光客が多い京都では、観光客の増加により公共交通機関が混雑して市民が利用しづらくなったことや、民泊・ゲストハウスの増加により市街地に宿泊機能が入り込み、騒音や治安悪化の懸念が高まりました。さらに、観光客によるゴミのポイ捨ても問題視されています。

北アメリカ大陸で皆既日食

2024年4月、北アメリカ大陸で皆既日食が見られました。
皆既日食とは、地球から見て太陽と月がぴったり重なり、手前にある月が太陽をすっかり覆い隠す現象です。

国際刑事裁判所の所長に日本人が初就任

オランダのハーグにある国際刑事裁判所の新たな所長に、赤根智子(あかねともこ)氏が選出されました。

国際刑事裁判所は、世界各地の戦争などで非人道的な行為を行った個人を訴追して裁くための裁判所です。
国際司法裁判所は、国と国との争いを裁くのが役割です。
なお、国際刑事裁判所の所長に日本人が選出されたのは初めてのことです。

物流2024年問題

物流・運送業界の「物流2024年問題」とは、働き方改革関連法によりドライバーの労働時間に上限が課されることで生じる問題の総称のことです。

ドライバーの時間外労働時間が制限されることで、一人当たりの走行距離が短くなり、長距離でモノが運べなくなると懸念されています。
そのような事態を防ぐため、様々な対応策を講じています。

対策としてまず、貨客混載(かきゃくこんさい)が挙げられます。
貨客混載とは、旅客列車、バス、タクシーなどの空きスペースを利用して貨物を輸送することです。
貨客混載は、自動車運送業の生産性向上や人口減少に伴う輸送需要と担い手の減少、過疎地域等において物流サービスや交通手段の持続性確保の手段として注目が集まっています。

また、トラック中心の輸送手段を変えていく「モーダルシフト」を進める方針です。
モーダルシフトとは、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶等の利用へと転換することをいいます。
ドライバーの長距離運転を削減し、フェリーや鉄道で荷物を運ぶことで、トラックで運ぶよりも二酸化炭素の排出量が削減され、環境面でもメリットが大きいとされています。

ライドシェア解禁

ライドシェアが2024年4月に部分的に解禁されました。
ライドシェアとは、個人が自家用車を利用して有償で他人を運ぶ配車サービスのことです。
スマートフォンアプリを通じて、車を所有するドライバーと移動を希望する乗客をマッチングさせます。
ライドシェアは、バスや鉄道などと比べ、導入初期にかかるコストが比較的低いのが特徴です。
ドライバーがタクシー運転手に必要な「2種免許」を取得する必要もなく、国も交通空白地域の解消のための切り札として期待をかけています。

最後に

繰り返しになりますが、近年の中学入試において「時事」に関する問題は多くの学校で出題されています。
現実の様々な問題に興味や関心を持ち、受験生自身の頭で考えることができる受験生を求めていることが背景にあるのではないかと思います。
一方、時事問題は明確なポイントがあることが多く、学習効果が高い分野でもあります。
2025年入試で出題可能性が高いポイントをマスターし、時事での確実な得点の上積みを図ってください。