素敵な一人っ子ストーリー企画で伝えたい想い~わたしと息子のエピソード~
いま、わたしは【素敵な一人っ子ストーリー企画】を募集している。
2月20日に募集を開始してから、本日までに8作品の素敵なストーリーが届いている。
読んでみて感じたのは、どの作品も、すごく心があたたかくなったり、感動する作品ばかりだった。
全ての作品が集まるのは3月末なので、4月になったら一つ一つ大切にご紹介したいと思っている。
今日は、わたしがこの企画を考えた背景となる考えを書きたいと思う。
わたしの息子は、超がつくほど社交的だ。両親のどちらよりも、一番社交的で人懐っこい。
それは、赤ちゃんの時からそうだった。
抱っこひもで抱っこされながら、ベビーカーに王様のような顔をして乗りながら、いつも誰かに手を振ってはニコニコ愛想を振りまいてきた。
道行く人に「バイバ~イ!」
店員さんに「てんいんしゃ~ん!」
お友達のママに「こんにちはぁ~」
子どもだろうが、大人だろうが、息子は誰にでも自分から声をかけて、世界を広げていく。
その根底には、”人”が大好きだという気持ちがあるのだろう。
それは、息子の本来持っている性格からくるものかもしれない。
でも、きっとそれだけではなくて。
息子が赤ちゃんの頃から、家族以外のたくさんの大人に出会う機会が多かったこと、親であるわたしが家族以外の大人と沢山コミュニケーションをとっている姿を見てきたこと、子どもの集まる場所に沢山出かけていったことも影響しているのかもしれない。
家族でいる時間は、息子はいつでも中心だ。息子が我が家の太陽のように、いつもキラキラ笑っている。
家族で出かける日以外に予定がない日ができれば、わたしは迷わず友達を誘ってお出かけをした。
同じ年頃の一人っ子の子どもがいる友達とは、一緒に動物園やディズニーランドなど、楽しそうなところにどんどん出かけて行った。
すると、大人同士も楽しそうに笑い合い、子ども同士もはしゃいで走り回る。大人も子どもも笑顔の時間が流れていた。
息子たちは、大人の会話をじーっと聞いていたりするときもあるから、大人の会話を見る機会が多かった。
子どもが一人しかいないので、いつも親たちはそれぞれの子どもに一点集中している。
だから、悪いことをして叱るときも、いいことをして褒めるときも、全身全霊で子どもを見つめてきた。
また、わたしの友達と息子と3人で遊ぶ機会も多かった。
だから、母親や父親以外の大人を知る機会が多く、その人たちはいつも自分のことを見てくれていて、叱ったり可愛がったりしてくれるのを感じていたはずだ。
息子がそう思ってくれているかはわからない。でも、少なくともわたしは全身全霊で息子を見つめてきて、いつも味方であることを伝え続けてきた。
だから。
ときに幼稚園の先生や身近な家族以外の大人にも話しかけすぎちゃうところがあるのも、大人がみんな自分の味方だと思っているからだと思うのだ。
よく、性格は、生まれつき持っている遺伝によるものに加えて、環境が影響するという話を聞く。
環境とは、家族構成がどうであるとか、裕福か貧乏かとか、そういう環境ではないとわたしは思う。
性格を形成するうえで大切な環境には、兄弟の多い少ないは関係ない。
兄弟が多い子だって、明るい子・おとなしい子・一生懸命な子・マイペースな子、色んな性格の子がいる。
一人っ子だって同じだ。わたしの友達には、明るいパワフルな一人っ子もいれば、おしとやかで穏やかな一人っ子もいる。
性格を作る上で大切な環境は、
家族はもちろん、身近で出会う多くの大人や子どもにどれだけ愛されて育つか。
わたしは、これが一番大きいものだと思っている。
「一人っ子だから…」
「お姉ちゃんだから…」
「末っ子だから…」
そんな言葉を、親である大人や、当事者である子どもにかける人がなかにはいるけれど、そんな言葉をかけられなければのびのびと育つのに、その言葉のせいで悩んでしまうこともあるのではないだろうか。
どんな兄弟構成であれ、どんな家庭環境であれ、どんな子どもにとっても大切なことは、家族を含む身近な人たちを信用する心・愛されているという実感のはずだ。
息子はまだ6歳。
これからこの社交的な誰にでも話しかけられる性格も変わってゆく可能性だってある。おとなしい青年になるかもしれない。
それでも、何も言葉に出さなくても、
「周りの人を信じていいんだ」
そう心のなかで自分や周囲の人を信じることのできる、心のたくましい人に育ってほしい。
わたしは、息子をしっかり見つめて、信じてもらえる母親であり続けたいと思っている。
そんな思いをこの企画にのせた。
一人っ子だけが素敵だと言っているわけじゃない。
わたしは3人兄弟で育ったから、兄弟がいる素晴らしさも沢山知っている。兄たちがいてよかった。兄弟がいる安心感は大きい。
だけど、人は、自分にないものを羨ましがったりする生き物だ。
自分と違うものに対して、なにかを言いたくなる生き物だ。
「周りに一人っ子少ないしなぁ。兄弟ほしかったなぁ…」
「兄弟多くて毎日うるさい。一人っ子になりたい!」
そうやって、周りと比べて羨ましがったりすることもある。
「二人目まだ?」
「産みすぎじゃない?」
そうやって心無い一言を誰かに投げかける人もいる。みんな事情があるのに。
兄弟が多くても、一人っ子でも、
みんな羨ましい存在、みんなみんな素敵だよ
そんなことを、この一人っ子企画をすることで、わたしも含め多くの人が感じることができたらいいな。