忘れられないピアノ教室の匂い
実家の部屋の片隅には大きなピアノがある。
私が幼稚園の頃から中学校1年生の夏までほとんど毎日欠かさず弾いていたピアノだ。
学校から帰ると毎日鍵盤と向き合い、週1回のピアノ教室に通う生活。
日々上達していくのが楽しくて、何よりピアノの蓋を開けた瞬間のあの鼻腔をくすぐるような独特の匂いが僕は大好きだった。
ピアノの練習をサボって親に叱られた経験がないほど、ピアノに打ち込んでいた。
しかし、小学校高学年に上がり、もう1つ、どうしてもやりたいことが見つかった。
「サッカーを