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鬼堂廻
2019年8月6日 12:25
ビールを片手に蝉の声を聴くと、夏が来たのだなと季節を噛み締める。そして僕はあの夏を思い出す。大学生だった頃の話だ。僕はとりわけ優秀でも落ちぶれてもいない、なんの才もないただの大学生だった。大学に行った理由も、学びたいことがあるとかなりたい職業があるから、とかそんな大層なものでも無くてただ単に就職もしたく無くて親が行けというから行っただけだった。本当は田舎の国立大学を受験してそこにい