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毎日執筆チャレンジ@35日目
「…あっ」
彼らの事を思い出して、つられて思い出した。
そういえば、少年の名前を聞いていない。猫の名前は聞いたのに。
今更なことに気が付き、頭を掻く。ひきこもっている間に対人コミュニケーション能力が鈍ったのだろうか。
今度聞こう。また近いうちに会えるだろうから。なんたってお隣さんだし。
そう結論付けて、吸い終わったタバコをポケット灰皿に落とし。
とっとと引き上げようと、した時だった。
足元に温もりを感じた。
「…ん?」
なぁご。
次いで、聞き覚えのある鳴き声が聞こえて、思わず下を見やると。
昼間の黒猫が、満月みたいな琥珀色の瞳で、私をじっと見つめていたのだった。
~続く~
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