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毎日執筆チャレンジ@37日目
再び流れる沈黙。
少年はパーテーション越しにクマを呼び続けるが、クマは動かなかった。
声がするたびにパーテーションの方を見やるも、すぐに私に目を移す。
あそこから連れ出してやってくれ。
そんな風に言っているように見えるのは、私の妄想でしか無いのだけれど。
中学生(推定)が、こんなクソ寒い夜に、猫を連れてベランダに居るのなんて、どう考えても不自然で。
「……ねぇ」
首を突っ込まずには、いられなかった。
「考え事ってさ」
「は、はい」
「どう? 解決した?」
「………あんまり」
「じゃあさ、ウチ来ない?」
「………え!?」
「話ぐらいなら聞くよ。寒いじゃん、外だと」
「いや、でも……親が、多分ダメって……」
「そっか。親御さん今いらっしゃる?」
「え……居ますけど……」
「おっけ。ちょっと待ってて」
「えっ」
~ 続く ~
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