毎日執筆チャレンジ1~9まとめ
挨拶と説明
こんばんは。はぷにんがーと申します、小説家志望の一般人です。
今日は、最近わたくしがやっている『毎日執筆チャレンジ』についてです。
物語がキリのいい場面(ワンシーン?)まで来たので、これまでのまとめを出そうかなと思い、唐突に記事を書いております。
というわけで今日は、記事というか『小説』です。エッセイでも日記でも愚痴でもないフィクションです。
わたくしの人生奮闘日記(?)はまたの機会で書きますので、それを読みに来てくださった方は、申し訳ありません。また今度お会いしましょう。
そして、小説を読みに来てくださったそこのあなた。
ゆっくりしていってね。
ではいってみよう。
はぷにんがー(ないしは詞ノ創)最新作
『黒猫から始まる物語もあります』
※一部「毎日執筆チャレンジ」の内容と表現を少し変えている部分があります。ご了承ください。内容はほとんど変わらないです。
小説『黒猫から始まる物語もあります』
まとめ①
イカは駄目らしい。調べてよかった。
「よかったなぁ、お腹壊す前で」
消化によろしくない食べ物なので、猫ちゃんが食べるとお腹を壊してしまうらしい。
あと、そもそも人間用に調味された物を与える事が、あまりよろしくないようだ。よかった事前に調べて。
というわけで、変わりに猫ぞう(仮名)には、レンジでチンしたホットミルクを与える事にした。
「うまいか~?」
返事は無かったが、人肌程度に温められたソレを一心不乱に飲む姿を見るに、気に入ってもらえたらしい。何の変哲もないスーパーで買った牛乳だけど。
「さて」
猫ぞうを一撫でし、伸びをする。
この子を保護してから10分ほど。
相変わらず、お隣さんからのリアクションは無い。
こちらから「猫あずかってま~す」と申告しに行こうかなと―――思ってはいるのだけど、相変わらずどっちの隣か分からないので。
猫ぞうを抱えて順番に訪問しに行く「お隣さんガチャ」でもやろうかなと。
そう考え付いた時だった。
――ピンポーン
「お?」
インターホンが鳴った。皿から猫ぞうが一瞬顔を上げ、すぐにミルク飲みを再開する。
「いや、興味持ってよ。君の飼い主かもよ?」
とは言いつつ、ミルクを取り上げるのも忍びないので、私だけでディスプレイを確認する。
映っていたのは、男の子だった。多分中学生ぐらいの。気弱そうというか真面目そうと言うか、そんな感じの少年が、ディスプレイ越しにもじもじそわそわしていた。
「はーい?」
『あっ、あの、すみません。あの、ウチの猫がいなくなっちゃって...』
「あー、うん。多分ウチに居るよ」
『ほ、本当ですか!?』
「今開けるねー」
インターホンを切り、玄関に向かう。猫が飛び出してこないように、リビングと廊下を繋ぐ扉はちゃんと閉める。
そして、扉を開けると。
「あっ…」
ディスプレイで見た通りの、気弱で優しそうな少年が居た。背もそんなに高くないので、ますます幼く見えてしまう。制服を着ているから小学生では無いだろうな、とかろうじて判断できるぐらいだ。
「こっ、こんにちは」
「猫ちゃん、探してるの?」
「は、はい」
「どんな子?」
「えっと…黒猫で、目が黄色くて、少し小柄で…」
「オッケ。あの子だね多分」
「居るんですか!?」
「見てもらったほうが早いかも。上がって」
「え…でも…」
驚いたような顔をして、入る事をためらう中学生男子。その『驚き』は、自分の家の猫が他人の家に居るから、という理由ではないように見えた。
遠慮しているのか、警戒しているのかは知らないが、
「いいよー入って。あの子ミルク飲んでるからさ。飲み終わるまで待ってあげて欲しいんだ」
玄関を大きく開け、自分も廊下に躍り出る。
少年は私の顔と、玄関の中を見比べ―――やがて観念したように。
「お…お邪魔します」
絞り出すような声で呟いたのだった。
~ 続く ~
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