
毎日執筆チャレンジ@33日目
心のモヤモヤが晴れなかった。
コロコロ変わる表情の少年が、終始マイペースに過ごしていたクマの姿が、忘れられなくて。
何より。
あの子が最後に見せた、とても困っているような顔が、脳裏にへばりついて離れないのだ。
「…言ってくれればなぁ」
実は……とか、ちょっと困ってて―――なんて語りだしてくれれば、話を聞くぐらいは出来たのに。
話を聞いて、一緒に考えて、悩んで、それで―――
「……………」
手を、貸しただろうか。
仮に。
あの子が「助けて」と言ったら、私はどうしたのだろうか。
「……フゥー」
たらればの話をしてもキリがない。
ガシガシ頭を掻いてから、煙をもう一吹かし。
こうしてベランダで黄昏るのは好きだ。ベッドタウンのささやかな夜景を眺めていると、余計な考え事が抜けていって、次第に心が落ち着いてくる。
~続く~
.
いいなと思ったら応援しよう!
