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毎日執筆チャレンジ@39日目
―――ピンポーン
静かな夜には不似合いな、軽快なチャイム音。
しばらく待っても応答が無いので、もう一度鳴らす。
『…なに?』
2度目でようやく反応した、インターホン越しの不愛想な声。女性だろうか。声色と口調から、明らかに面倒くさそうである。
「すみません、蛍君の友人なんですけど、蛍君いらっしゃいますか? 」
『……今居ません』
それだけ告げられ、ブツ、と切られた。
自分の部屋に戻り、鍵を掛ける。
再び深呼吸。
「……よし」
オーケー、これでいい。
これで私なりに筋は通した。
なんで少年が、こんなクソ寒い中ベランダに居るのか、とか。
なんで親はソレを一切気にしていないのか、とか。
昼間の騒音は結局何があって、少年とどう関係があるのか、とか。
ややこしい事は一旦どうでもいい。
あの子たちを寒空の下に放っておきたくない。
この、私から生じた、私の我儘の為に、私は動くだけだ。
~ 続く ~
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