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妊娠出産子育てが女を狂わせる、のか、或いは俵万智。
今月は2本目のイベントがあります。タイトルは「日々のポエトリー子育てMIX」というもの。
子育てにまつわる詩歌の朗読&トークのイベントです。
詳しくはこちら。
「子育てが少し楽になる(かもしれない)詩歌の朗読とトークをします」といったら、ほんわかイベントなのかなーと想像する人が多いでしょうか。
だとしたら、ちょっと違った毛色のものになるかもしれません。
今、内容を詰めている途中で、いろんな人の子育てに関する詩歌を読んでいるのですが、出産の前後でえらく印象の変わる人がいて、たじろいでいます。あまり人の作品をゴシップ的に追うのは好きでない(自分がそうされたらと思うと)のですが、、、それは、俵万智さん。
『サラダ記念日』で鮮烈なデビューを果たし、何年かたってから『チョコレート革命』でその内容(不倫を思わせる恋愛の歌が主)ゆえ話題になった・・・、くらいしか知らなかったのですが、改めて『チョコレート革命』と、息子さんを出産した後の『生まれてバンザイ』を読み比べて、さらに『ありがとうのかんづめ:子育て短歌ダイアリー』を読んだら、そのギャップにギャフン。。ほとんど転向やん。。
『チョコレート革命』に不倫相手の娘さんが出てくる歌を何首かあり、それがけっこうエグいんですよね。
グラタンと焼肉が好きという少女よわたしはあなたのお父さんが好き
その印象の強いまま、何年もたってから書いたエッセイ(『ありがとうのかんづめ:子育て短歌ダイアリー』)に、息子の友達の女の子の仕草に「女の子も育ててみたかったな」と書いてあるのを読むと、やっぱり出産って、子どもが女を変える力ってすごいなと思わざるを得ない。
That was then, this is now. (そのときはそのとき、今は今。)という言い回しがありますが、どちらも本当なのだと思います。
『生まれてバンザイ』からも1首引用しませう。
子を抱き初めてバスに乗り込めば初めてバスに我が乗るごとし
出産直後からしばらく、自分の身体と赤子のからだが同化している感覚、すごくよくわかる。弱くはかない赤子と一緒に自分もそうなってしまったような感覚。
変わり身の早さが女、というのではなく、やっぱり出産が、子どもがすごいのではないかな、と。さらに、出産の数が少なければ少ないほど、その感動は鮮明で、そりゃ詩や短歌書く人なら作品になっちゃう、という感じでしょうか。
私も10年間子どもはひとりだったので、息子に関する詩が多いのはそういうわけか、と今書いてて思い当たりました。相当うざいですね。
ちなみに10歳離れて生まれた娘の作品は本当に少ないです。同性ということもあるのかなー。
子どもの数が3人とか4人だと、毎回そんなに感動してられないから「出産ってすごい」「子どもってすごい」っていうエキスは適度に薄まる気がします。たとえば与謝野晶子みたいな多産な歌人に子どもの短歌ってどのくらいあるのかな。
イベントでは、男性の書いた子育てに関する詩も紹介します。子どもは女性だけでなく男性をも狂わせるな、と娘の前でデレデレになる連れ合いを見ると思いますが、それでも詩歌などの作品になると、男性と女性とでは大きく違いが出るようです。
ちなみにスタンドFMでも同じトピックで話しています。微妙に違うことも話しているので、ぜひ聴いてみてくださいね。
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