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【数値化】過剰な可視化の波がきています?

先週、大きめの書店を
ふらふら「散歩」してた時。
新書コーナーで、あるタイトルが
目に飛び込んできました。
「過剰可視化社会」!

うわ、それ、わかる~。
過剰な可視化が今、どんどん
進んできてると思ってた~。

でも「過剰可視化社会」
というのは、まだ一般語には
なりきっていないですね。
おそらく造語か、
一部の人の中で頻繁に
使われるようになってきた、
そんな感じがします。

これは新書ならではの武器ですね。
何か社会の特徴をいち早く訴える
言葉を生み出して世に問う。
NHKの特集や、新書がそれを
よく担いますね。

うーん、これだから、
本屋さん散歩はやめられない。

こんなことは図書館ではあまりない。
また文学の棚でもできない。
新書の棚ならでは、です。

ところで、過剰な可視化って
この著者がいうのは、どんなこと?
『過剰可視化社会
~見え過ぎる社会をどう生きるか~』
与那覇 潤 PHP新書

この本が訴える所では、
感染病禍やデジタル化の今、
数値化、タグ化、エビデンスなど、
大勢の個人の属性が公になり、
世間がそれをチェックする流れにあると。

これは私が書店で見た時に
予想したのとは違ってました、汗。

でも「見える化」が
すごく進んでてしんどいなあ、
という実感はわかります。

会社の人事部向けのツールの宣伝を
よく見かけるんです。
人の異動は、人事部でも大きな課題。
それをスタッフ一人ずつ、
数値化するんです…。
すると、異動案もスムーズで簡単になる。
例えば、Aさんの能力を
5角形チャートで数値化する。
協調性は3、
企画力は2、
忍耐力は4、
従順性は3、
柔軟性は3、
などとスタッフ全員の性格を数値化し、
5角形チャートにしていったら、
どこに誰を異動すればいいか、
人事部も簡単に答えが出せる、
というものです。

うーん、そっかあ、と一瞬は
納得しそうになるのですが、
まず最初に数値化した人間、
査定した人間の存在は
大きいですよねえ。
しかも、その数値化が
いつまでもついて回る…。

こんな数値化でスタッフを
管理している企業は多そう。
特に新しい会社ほど。

でも、人間は日々、
ちょっとずつ変わるし、
成長するし、衰えもする。
簡単に数値化、タグ化されて、
それで評価されているなんて、
それは浅い人間認識だなあ、
と私は呆れてしまいました。

でも、そういう管理のほうが
楽で便利なら、きっと
世の中はそちらに流れていく。

数値化した方が良い面も
たしかにあるのも事実ですが、
人間には数値化などされない
モヤモヤした面もたくさんあり、
それは決して可視化や見える化は
されないはずです。
必ずや管理の隙間から
零れ落ちていくでしょう。
どうもそんな心配をしてしまう。
これが単なる老婆心ならいいのですが。

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