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三島由紀夫『仮面の告白』初版本が復刻という挑戦

今日、本屋さんで
三島由紀夫『假面の告白』を
見つけたので、即買いしました。
初版本復刻版。
税込み3960円。たかいっ!

奥付けを見ると、 
1949年発行とある。
ということは、76年ぶりに初版が
復活したことになりますね。

カバーのデザインは
濃厚なレトロ感が漂っている。
正直、この作品の中身には
合っていない気がするけれど、
カバーデザインも、
時代の流行り廃れがあるんですね?

でも、初版復刻本で、
『仮面の告白』を読みたかった。
ちびちび、毎晩の晩酌みたいに
楽しみながら読んでいこう。

ちなみに、
これが三島由紀夫初の書き下ろし長編。

この作品が完成するまで、
三島を支え続けた編集担当者は
なんと、坂本龍一のお父さんで
伝説的な文芸編集者だった
坂本一亀さん。
河出書房で高橋和巳など
ヒット作を何冊も手掛けた編集者でした。

坂本さんは相当なやり手だったらしい。
叱咤激励しながら完成まで作家を
導いたというタイプの編集者だった
という伝説がいくつも残っています。
かの三島由紀夫も、
このスキャンダラスな自伝的長編を
一人粛々と書いていた訳ではなくて、
担当編集者にずっと叱咤激励されながら
どうにかなんとか
書き進めていたのかと思うと、
三島由紀夫も人間だったんだなあと
妙な安堵をさえ覚えますね。

ちなみに、本文ページを開くと、
初版復刻だから仕方ないですが、
活字が地味に潰れていて、
ちょっと読みにくい。

でも、遅読の私には
ちょうどいいかもしれない。

ちなみに、タイトルは
当初は『仮面の告白』ではなく、
『人間病』だったらしい。
変えて正解でしたね。
『人間病』ならあまりにも
大枠過ぎて、インパクトもなくて、
売れなかったかもしれない(笑)。
戦後1940年代の文芸の初版本が
「新刊」として発行されるのは珍しく
この挑戦がまだまだ、
河出でもそれから他社でも、
続いていくと嬉しいなあ。

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