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【人間】ずっと「人間通」になりたくて読書してきたけど

人間通。
人間通になりたい。
人間通になりたかった。

人間のことをよく知らない。
そういうコンプレックスが
10代から今もある。

クラスでも、会社でも、仲間でも、
何らかのグループには、
必ず、一人、いるんですよね、
人間通な人が。

傍から見てて羨ましい位、
人間とは何かをよく見抜いてる。

あんな人になるには
どうしたらいいんだろう!

私が本を読むのは、
ある意味、人間通になるためだ。
でも、ただ読んでいても、
人間通にはなれない、らしい。

これを読んだら絶対に
人間通になれるという
教科書やマニュアルなどがあれば
即効に読みたいくらいですが、
そんなに甘くはないですね。
なかなか人間通になれないから、
人間通が価値が高まる。
どこにでも居る筈がない。

私が今まで色々な人間通と
会ってきて感じるのは、
確実に感情を織り交ぜて
思考しないクールさ。
凡人はつい、感情が交じる。
そうして、判断を謝る。

そんな人たちのバックボーンを知ると、
いくつかの共通項があります。

ご両親の仲や兄弟の仲など、
家庭に色々な事情があり、
それらから距離をとり、 
達観してる人が多かった。

また、たび重なる引っ越しや転校で
人間との別れ、出会いを繰り返してて、
非常な繊細な感性を持っていたり。

いつも安住の「住処」はないという、
足場の土台は緩いという前提で
生きてきた経験と
生きていく未来への期待の少なさが
芯のようにあった気がする。

また、かといえば、
大きな病気で長い間
病院でいたり、
または、自宅で療養してきた人には
人間通が多かった。

また、話はぐるりと変わりますが、
村上春樹。
村上春樹は、大学卒業後、
20代末まで、8年近く、
ジャズバーを経営していた時間、
色々な人間を身近に見て過ごしてる。
このジャズバーの時代があってこそ、
その後の、日本文学界では
風変わりな名作が書けたに違いない。

もしも、大学卒業後に
普通に作家を目指してたら、
きっと、あの村上春樹は
できなかったでしょうね。

ジャズバー、というのが
人間通的にはかなりポイントが高い。
カウンターで一線は引かれてる。
人間関係としては、
遠からず近からずな距離。
でも、経営者だから、
当然、潰れないためにも、
お客さんとの関係は
クール、かつ、シリアスな
ところまで奥深くに眼が届いたでしょう。
届かないと、客商売など
できないですからね。

村上春樹の『村上ラヂオ』だったか、
エッセイで、
ジャズバー時代、お客さんを見て、
その職業や家族構成は
たいてい、すぐにわかったという。

たくさんの、
クセのある人間、
奇妙な人間、
不思議な人間を
サンプルとして、
何百人も見てきたからでしょう。
サンプルを、しっかり、
たくさん観ているというのは、
大事ですねえ。
良い人間、悪い人間といった 
性急な判断を絶対にしない!
ということも、人間観察には
大事なんですよね。

さて。
本をたくさん読めば、
人間通になれるでしょうか。
それはどうも怪しい。(汗)。

本をたくさん読む、  
特に小説ばかり読む、
人間通ではない伯母が一人いる。
あまりに本の中の世界に居すぎる
ものだからか、
現実的能力がなさ過ぎて、
よく周りを困らせてしまう。

親族の中では、私が
その伯母に一番近いかもしれない。
現実的能力は余りに低い(笑)。

本を読み過ぎるデメリットは
いつも、頭の奥にあります。

かつ、やはり本の世界の
素晴らしさは疑いようもない。

本の世界もまだまだ全貌は
見えてこないですね。
まだ甘々かぁ。

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