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【恐怖】ホラーの帝王キングを生みだしたのはホラーの超人ラヴクラフト

この30年間に観た映画から、
スティーブン・キング原作を
省いたら、
数も名作も一気に減ります。
それくらい、
キングはよく映画化されている。
アメリカの東野圭吾かな?

いや、キングのほうが先だし、
断然に幅が広いかあ(笑)。

まずは、
「ショーシャンクの空に」
「グリーン・マイル」
「スタンドバイミー」
等といった名作は、
スティーブン・キングの原作。

「ショーシャンクの空に」の
原作小説のタイトルは、
「刑務所のリタヘイワース」。

それよりも、
キングと言えば、ホラーの帝王!
ホラーやミステリーこそ
彼の真髄ですよね。

「呪われた町」
「シャイニング」
「デッドゾーン」
「イット」
「ミスト」
「シークレット・ウインドウ」
「ミザリー」
「キャリー」
「ペット・セマタリー」
「1408号室」

これはいわゆる2時間映画たち。

キングはそれより、
どちらかというと、
テレビドラマにも向いていて、
その数は上記の映画より
何倍もあります。

ところで、
小説のゴールは
決して、映像化ではありませんね。

むしろ、映像世界の人が
ネタを自分で作らずに
小説世界に頼っている、
というのが、客観的事情です(笑)。

よく「祝!映像化」
「祝!ドラマ化」という
オビが本によく巻かれますが、
作家側は、本当は、
チェッ!と舌打ちしたい気持ちに
なるもの、と聞きました。

あのオビが「祝」してるのは、
知名度が増すこと、
本の売り上げが倍増すること、
(笑)。

話が逸れました。
キングはなぜこんなに
ホラーの帝王となり得たのか?

読みながら、この話は
私の記憶にある奴だなあとか、
感じるのは、
キングの物語は、 
「普遍的な恐怖」だからでしょうか?

太宰が
誰にも通じる恥や違和感を書いて
大勢の支持者を得たように、
スティーブン・キングは、
誰もが「これは私の話?」
「これは起こり得るわ」
と感じる恐怖や不安を
書いているから、
支持者を得るんですよね。

「シャイニング」なんて、
一見かなり特殊に見えます。
作家の男が山深いホテルの
冬の期間の管理人になり、
閉じ込められたせいで、 
だんだん「正気」を失っていく
狂気へのプロセス。

と、説明したら、
普遍的な話ではありませんが、
観たり、読んでいると、
なぜか、ワガコトのように
夢中になって魅了される、
あの不思議さ。
キングの魔術ですね?

恐怖心理について、
ここまでに深掘したのは、
20世紀文学では、
なかなかいなかったから、
キングは売れたのですね。

あ、恐怖について、
20世紀文学は手が伸びなかったかな、
と思ってましたが、
超人・ラヴクラフトがいましたね。
1890年〜1937年。アメリカ。

読書会に行って、
20人いたら1人くらいは必ず
ラヴクラフトを読んでるような
ミステリーのマニアが
いたりします。

学生時代も、
いくつか、文学サークルの
扉をノックしましたが、
棚には、ラヴクラフトの本が
置かれてるものでした。

それを見た新入生は、
「キミはラヴクラフトも
まだ読んでないのかい?」と
先輩にマウントを
取られるんですね(笑)。

だから、つい最近まで
ラヴクラフトは
マウンティングの思い出で
親しみたい作家では
ありませんでした。  

でも、さすがに
欧米ホラー作家の元祖を
いつまでも避けてては
らちがあかないから、やっと
最近手を出し始めました。
 
そんなラヴクラフトが
元祖カリスマホラー作家に 
君臨していた後だからこそ、
次に現れるホラー作家は
それほど神格化されず、
一般受けする流れができて、
大勢から受け入れられたんですね。
クラフトありきで、
次にきたのがスティーブン・キング。

ちなみに、ラヴクラフトは
ここ数年で新潮文庫から
2冊翻訳されたから、
すぐ手に入るようになりました。

ラヴクラフトは、 
ホラーと哲学が一体化した
歯ごたえ満点の本格ミステリー。

スティーブン・キングは
その点、哲学からは距離を置き、
ホラーとエンタメの一体化に
成功した作家になっていったんだ
と、言えるんでしょう。

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