本屋さん探訪レビュー(3)くまざわ書店・調布店さん
本屋さんの力量は、第一は、
どんな本を揃えられるか?ですが、
可能な範囲で、本を取り寄せ
仕入れ、陳列するか?ならば、
巨大な何フロアもある大型書店、
つまり、三省堂書店や紀伊国屋書店、
ブックファーストやジュンク堂書店や
丸善が圧倒的に有利ですね。
まして、Amazonの在庫は、
中古も含めたら、全タイトルが揃う。
つまり、その他の、敷地上、
スペースに限りある本屋さんは、
品揃えでは、不利な訳です。
雑誌だって、その週、その月に
発売される雑誌を全部並べることは
物理的、空間的に不可能。
大衆向け雑誌をいっぱい並べるか?
提案型のおしゃれな生活雑誌に
スペースを割いてポップに彩るか?で
店内の雰囲気もまるで違います。
文庫にせよ、
単行本にせよ、ビジネス書にせよ、
どの本屋さんも、
何かを並べる代わりに、
何かを諦めていることになります。
だから、本屋さんに行くのは、
そこの店長なりスタッフが
どんな見識や習慣で、
どんな品揃えをしてるか?
確かめに行くような感じなんです。
最近とても感心したのは、
女性向けのエッセーや単行本を
二列にわたって並べていた本屋さん。
調布駅の、京王トリエ調布館にある
「くまざわ書店」調布店さんです。
おしゃれなショッピングモールの中で
やっているだけあって、
お客さんは女性が多めです。
学生さんから主婦層、中高年までたくさん
いらしてるのが見てわかりました。
若い女性に買って貰える店作りが
今は非常に大事で、
新宿ルミネにあるブックファースト店も、
女性を意識してるお店の代表だけど、
都心ではない調布で、
こんなに女性のお客さんを意識した
棚揃え、店作りは珍しくて斬新でした。
棚を見てると、
「文学」「ミステリー」「女性」と
いったカテゴリー分けになっている。
女性向けをいかに手厚く扱ってるか、
よくわかります。
雑誌コーナーでも、
女性ファッション雑誌だけでなく、
ライフスタイル誌も非常に多い。
ただ、その分、売上では大きいはずの
文庫やコミックス売り場が、
品揃えがどうしても弱い。
あまりスペースを割いてないから。
買いに行っても欲しかった
本やコミックスがない場合が多い。
売上が大丈夫か?気になります。
だって、雑誌は立ち読みして帰る
お客さんも多いし、
女性向けエッセーは
並んでいる光景は非常に、
多様化、ダイバーシティを思わせるけど、
ちゃんと買われているか?どうか?
女性は金銭感覚が鋭いから、
そう売れ行きがいい訳でもないでしょう。
でも、基本、本屋の店作りは、
何かを選び、
何かを諦めるしかありません。
コミックスと人気作家の文庫が
一番売上には貢献するはずですが、
ここ「くまざわ書店」は
売上ではなく、知的発信力を
選んでくれているんですね。
店内には、立読み用の?椅子もある。
女性のための本を揃えたり、
マンガや文庫本に重きを置かない
天晴れなスタンス、見識。
なかなか、真似はできませんね。
その辺りを鑑みて、星は3.8。