どんな時も諦めなかった穂村さん
今日の一冊は、
穂村弘さんの『短歌の友人』。
ベッドの枕元に長らく
埋もれてたのを取り出してきた。
穂村弘さんは短歌の歌人ながら
エッセイストのように
機微を掴んだ文章で、
引き込まれます。
そして「それ、私も~」と叫びたくなる
人間あるある指摘の達人。
何度もトーク&サイン会に行きました。
5回は行ってるかも(笑)。
著書は全部持ってる。
全部はまだ読んでませんが…。
強烈な自意識だけど、
なぜかユーモラスな文章。
こんなに飾らない人も珍しい。
『短歌の友人』は
短歌によるマジメな文学論。
これ一冊で、
近代文学や文体論や創作論など
色々なジャンルに股がってる。
穂村弘さんは
もともとは、一般的な会社で
総務をしながら、短歌を創作。
サラリーマン生活が合わず、
後輩からもいじめられ、
ストレスから味覚が麻痺に。
何にでもウスターソースを
かけて食べてたそう。
28歳で会社を辞め、
当時の貯金全額をはたいて
短歌本を自費出版したものの、
一年は泣かず飛ばず…
でも、日々、
どこかの出版社から
原稿や連載の依頼が来ないか、
待ち続けたんだそうです。
そして、一年後、ある人気作家が
朝日新聞で、穂村さんの自費の本を
誉めてくれたのが、
快進撃のきっかけでした。
今や、もう57才、
イケメンで、
何年先までも仕事の予定がいっぱいの
売れっ子歌人です。
繊細な人なのに、
挫折しても挫折しても
決して諦めなかった人、穂村さん。
私は穂村さんの、ユーモラスな文章が
大好きです。