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【ドラマ】『阿修羅のごとく』は饒舌4人姉妹の会話劇

ネットフリックスの新作ドラマ
『阿修羅のごとく』を
ようやく見終えて、今はまだ
余韻の中にいます。

原作シナリオは向田邦子。
そのシナリオにアレンジを加えたのは
是枝裕和。監督でもありました。

長女・宮沢りえ、 
次女・尾野真千子、
三女・蒼井優、
四女・広瀬すず。
豪華な顔触れ。

4人姉妹は、ドラマとして
豊富なポテンシャルがありますね。
若草物語も4姉妹でした。
是枝さんは『海街diary』でも
4人姉妹ドラマを作ってる。

その是枝さんがこの向田シナリオを
今回手掛けたのは、単なる偶然では
なさそうだ。

昭和が好きな人、
向田邦子が好きな人、
是枝作品が好きな人、
姉妹ものが好きな人、
そんな人たちには、
この『阿修羅のごとく』は
オススメしたいですね。

是枝さんの脚色部分がまた
昭和のシナリオに
現代らしさを追加しているようです。

女とは何か?
女の幸福とか何か?
というテーマだけでは、
今、こんなにジェンダーについて
自覚的な時代に
どんな深掘りができるか?
観る前はちょっと心配でしたが、
いやいや、
女の幸福と不幸について
こんなにも描き切っているから
そんな心配は吹っ飛んでしまった。

劇中には、いくつもの
向田さんらしい名言、名セリフが
埋め込まれている。
それらに出会うのもまた、
この作品の鑑賞の楽しみです。

ラストのやりとり。
4人姉妹が揃って実家の庭で
白菜の漬け物を漬けながら
賑やかに会話してる。

それを観ながら、
姉妹たちのパートナーである、
男たちが将棋をさしながら、
「女は阿修羅だね」と
怖そうな表情でささやく。 
向田シナリオでは、
ここで終わるはずですが、
今回のドラマでは、
是枝さんはもうひと言、
姉妹たちにセリフを言わせてる。
そのおかげもあってか、
昭和時代設定なのに、令和に通じる
ドラマになりました。

そのセリフは、ネタバレになるから
ここには書けませんが。

ネットフリックスの定番の
地面師や悪役レスラーや
全裸監督やビートたけし評伝のような
過激さ、迫力、暴露性はない。

そこはどうかなあ?
ネットフリックス・ユーザーに
この令嬢4人姉妹ものは
刺さるかなあ、と向田ファンは
ちょっと心配していました。

でも、少なくとも、
是枝作品のファンには
きちんと刺さるでしょう。
だから、心配はもうしません(笑)。

女の幸せと不幸せについて
感じてみたい人は、ぜひ。

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