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【谷川俊太郎】幸せは自分のココロとカラダを信じること。
今日は、谷川俊太郎からの詩を
引用しながら、
谷川さんのメッセージを読んで行きます。
「幸せが自分の外にあるように思うのはアホ、外にあるのは幸せそのものではなくて、幸せの理由だけ」
冒頭いきなり、アホとは
ちょっと手厳しいな、谷川さん。
幸せは自分の外、遠くにあると
つい思いがちかもしれない。
カール・ブッセの
「山のあなたの空とおく
幸い住むと人のいう」みたいな
考え方は、青春時代に
染み込みやすい。
でも、こうした考えは
渋澤龍彦や寺山修司などから
さんざん批判されてきた。
幸せは自分の外にはない、と。
谷川俊太郎の詩はまだまだ続きます。
「お金とか、友達とか、地位とか、広々した自然とか、可愛い子犬とか、幸せを感じる理由は身近にいっぱいあるけど、幸せそのものはひとりひとりのヒトのカラダとココロに湧く感情の一種、それもいわゆる喜怒哀楽の感情の次元を超えた〈感動〉だから」
喜怒哀楽などは感情のレベル。
幸せはそうした感情のレベルを超えた
〈感動〉の次元か。言い得て見事。
確かに、幸せを感じる時というのは
自分のココロの奥から湧いてくる
感動なのでしょう。
誰かと話をして盛り上がるのは
次元的には「楽しい」。
さらに、誰かと話をして
コトバ少なくとも、
互いに理解できた時は、
楽しいを超え、深い喜びを味わう。
それは喜びを超えて、
幸福感に満たされた感動ですね。
そうして、そんな幸福感は
どうしたら得られるでしょうか?
谷川さんはこう書いて締める。
「自分のココロとカラダから湧いてくるのを信じるしかない。」
幸福感を得られる
法則やマニュアルはないという。
谷川さんを信じられるのは、
ここだ。
この人は、幸せを得るための
法則やマニュアルなどない、と
言っているのですね。
「湧いてくるのを信じる」
ただ、待つのではなく、
信じるという行為には、
楽天的な忍耐が要る。
でも、谷川さんは
それしかないと言う。
ここで妖しく言い寄る名言に
撹乱されてはいけない。
自分を信じるという
不屈の楽天的な忍耐だけが、
私たちを幸せにしてくれる。
やはり、谷川俊太郎には
かなわないですね。
今日引用したのは、
谷川俊太郎『幸せについて』
ナナクロ社 P7より。