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【読書】父・伊集院静が娘に「これだけは読みなさい」と勧めた本は!?

昨日、アマゾンを見ていたら、
ジェームズ・ジョイスの
『ダブリン市民』または
『ダブリナーズ』が
新品が在庫切れになって、
中古本でしか入手できなくなっている。
新潮文庫も、新品は在庫なし。
岩波文庫も、また同様に、
新品は在庫切れ状態。

都心の中規模のリアル本屋さんでも
新潮文庫の『ダブリナーズ』は
ありませんでした。

かろうじて、ちくま文庫の
『ダブリン市民』のみ、
新品で手に入れることができました。
でも、ちくま文庫の海外文学は
そもそもあまりリアル書店には
置かれていない…。

『ダブリン市民』は
20世紀を代表する
ジェームズ・ジョイスの
初期の連作短編集で、
人気も、もともとあるものの、
にわかに売り切れになるほどではない。
どうもきっかけがあるのではないか。

それで思い当たるのは、
私の勘が間違いないなら、
日曜日の読売新聞の書評ページだ。

毎週、作家のインタビューが載る。
そこに、先の日曜日は
西山繭子という女優兼作家が登場し、
父・伊集院静から、
『ダブリン市民』をまずは読みなさいと
言われた逸話を話していました。

たくさん色んな本を読み回るのも
悪くないけれど、
余計なものを読むくらいなら、
まずは『ダブリン市民』を読みなさい、
そう伊集院さんは
娘の西山さんに語ったそうだ。
一番先に押さえておきなさい、と
作家である父親から言われたら、
それは深い意味合いを感じて、
すぐに行動しますね。

『ダブリン市民』は、
ジョイスには珍しく、
凝った文学的な実験はなく、
写実主義的に、貧しい庶民たちの
喜怒哀楽を縷々と描いた連作集です。
人間の幸せと不幸せを
織り交ぜたシンプルな人間悲喜劇です。

ただ、ジョイスのそんな作品と、
伊集院静の作品たちが結びつく
印象はあまりなかった。
少なくとも西山さんが
インタビューでそう語るまでは
伊集院静が『ダブリン市民』を
愛読するイメージがなかったので、
ビックリしました。

娘さんである西山さん自身、
ちょっと意外に感じたらしい。

それにしても、私も、
はなはだ失礼な奴ですね(笑)。
ならば、いったい誰であれば、
『ダブリン市民』のイメージが
合うのでしょうね?(汗)

話を戻しましょう。
先の日曜日の読売新聞の
書評ページの中にある
インタビュー記事コーナーが
まだまだ大きな影響力を持ち、
アマゾンやリアル書店から、
ジョイス『ダブリン市民』を
売り切れにさせるとは?

まだまだ新聞には
少なくとも、新聞の週末書評ページには
しっかり力があるんですねえ。
少なくとも読書好きには。

昔に買っていて、
途中で止めたまま部屋のどこかに
きっとある『ダブリン市民』。
今夜はそれを探し出す夜になりそう。

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