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【さくら】河津桜は、無欲さの象徴かもしれない。

河津桜は、現代日本の春を
彩る早咲きの桜ですね。

今でこそ、
伊豆の河津の桜は、
満開時は何十万もの花見客が
訪れる、桜のメッカですが、
昭和の昔、伊豆河津は
まだそんなにビッグな観光地でも
なかったらしい。

それが、ある頃から
早咲きということで重宝がられ、
河津桜は日本全国で植えられる
ようになった。

河津の人たちは気前がいいのか、
訪れた観光客に
河津桜の枝木を配ったんだそう。

その結果、日本全国に
河津桜が広まりました。

これで伊豆・河津に行かなくても
桜が堪能できる。

河津の人の間では、
河津桜を配ったことで
賛否両論が起きたそうです。
反対派の意見は、桜を配るのは、 
価値を下げることになると。

いまの、地元を観光で
もりあげようという、
ブランディング優先の時代なら、
河津桜の枝木を配布するなんて、
もったいないという意見が
圧倒的多数になって、
配ったりしなかったに違いない。

でも、日本津々浦々、
河津桜を自宅の庭で楽しんでいた
人たちが、こんな桜が
何十メートルにわたり、
川沿いに咲き乱れる本場の桜を
ひと目見に行こうと思う人が
河津を訪れるようになっていった。

それが、今では
河津を何十万もの人が訪れる結果に。

こうなると、
河津桜の枝木を
気前よく配った人たちの無欲さが
こんにちの河津の盛況に
つながっていった訳ですね。

気前よさ、無欲さが、
河津桜を広め、かつ、人を集めた。
いまの地域活性化プロジェクトが
やたらに目立つ状況に、
一石を投じる河津桜。

河津桜を見るたびに、
河津の地元の人たちの
無欲さを思い出してしまう。

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