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【読書】老いについて考える10冊を選びました。

今日は、老いにまつわる本の
選書を考えたいと思います。
理由はシンプルに敬老の日だから(笑)。

とはいえ、
老いに対して敬意を払う作品に
限りたくはありません。

ただ、老いについて、
関心を持たれたいのが本音です。

まだ、書店に行く訳でもなく、
アマゾンで調べる訳でもなく、
パッと浮かぶところから行きましょう。

それにしても、
青春に比べて、若さに比べて、 
老いに取り組む本はなかなか少ない。
どうも、老いはこれまで
分が悪かったのだろうか?
いや、四の五の言うのはやめて
さっさと始めましょう?

①有吉佐和子『恍惚の人』
文学で最初に認知症について
取り組んだ有吉の小説。
日本文学で老いについて考えるなら
たぶん、これがベスト1。

②川端康成『山の音』
息子の妻を好きになってしまう
義父の悲しみと苦しみ。
『山の音』は川端康成晩年の
名作と数えられてきました。

③ガルシア・マルケス
『コレラの時代の愛』
文庫化で今話題のガルシア・マルケスが
70代になってやっと結ばれた、
数奇な一組のカップルの、
不純と純粋のはざまの恋愛ストーリー。
恋愛とは熱病のコレラみたいなものだ、
というが、
その熱病は止むことはやるのか?
ガルシア・マルケスの『百年の孤独』とは
また違う切ないラブストーリー。

④谷崎潤一郎『鍵』
ひょんなきっかけから始まる
老夫婦の奇妙な企みの日々。
『瘋癲老人日記』とならぶ
老人変態小説は、外せない。

⑤川端康成『眠れる美女』
これまた、日本文学屈指の
変態小説の傑作だ。
眠らされた若い美女を
一夜、ひたすら眺めていることで
絶望を食い止める奇妙な性愛。

⑥クッツェー『恥辱』
南アフリカ出身のノーベル賞作家
クッツェーの代表作。
52歳の大学教授だった男が
人生を転落していくなかで、
様々な人生の場面に出会っていく。
52歳は老年と言えるか微妙だが、
転落しながらも戦う
主人公の人生は、
新しい老年期モデルにもなるはず。

⑦三島由紀夫『禁色』
これまた、老年期の歪んだ性愛に
取り組んだ三島らしい実験小説。

⑧色川武大『百』
100歳を目前にした父親との
悲喜こもごものシーンを描き連ね、
色川武大らしい死生観が胸に迫る。

⑨最相葉月『母の最終講義』
ノンフィクション作家、最相葉月。
彼女の母親は30年以上の認知症で
最相さんは介護に振り回される。
それは、まさに「最終」の、
しかも娘への「教育」であった
という懸命な真実の書です。

⑩ヘミングウェイ『老人と海』
まさに、老人が主人公となって
大海原でカジキマグロと戦う名作。 
ヘミングウェイは平易な文章だら、
英語で読みましょうか?

ちょっと最後はベタなセレクトに
なっちゃいましたが、
それにしても、 
川端康成、谷崎潤一郎、三島由紀夫と
日本文学は、変態分野が
異様に発達していますね(笑)。

さて、同じく⑩として、
忘れていましたが、
司馬遼太郎が
老獪な徳川家康を描いた
『城塞』も挙げましょう。
関ヶ原の勝利でほぼ日本一となった
徳川家康が秀吉亡き後、
豊臣一族をいかに醜い手立てで
滅亡させたか?

う〜ん、
これはこれでベタなチョイスかな。

今日の選書はこんなところで(汗)。

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