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ある寄付者のつぶやき~ファンドレイザーとして知っておくと良いかも

~営利・非営利のソーシャル事業の成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~

「寄付者が何を感じて、どう考えているのか」。

寄付を依頼する/される立場として、気になるテーマの一つです。このテーマに関して、ある女性がTwitterで発信したツイートが、米国のソーシャルセクターで話題になっているようです。

私が寄付したいと思う団体は、こんなメッセージを発信しているところです。「(困っている人や課題を解決できる)方法を実現するには、私たち団体だけではどうしてもできません。一緒に実現に向けて、協力してもらえませんか」(※1)
理事とスタッフに向けて「理事として関わっていながらも、その団体に寄付していないのはどうしてですか。スタッフは、彼らに寄付のお願いをしましたか」(※1)

Twitterの彼女は、米国ロサンゼルスの実業家で、非営利組織の理事でもあり、また過去7年間で数十件の非営利組織への少額寄付と高額(100万ドル)寄付を2度行う寄付者でもあるようです。

その彼女にインタビューした記事が興味深いため、一部を紹介したいと思います。

インタビュー

Q1)
なぜ多くの寄付者が、寄付先への不満を公にしないのでしょうか。彼らは不満を言うことを恐れているのでしょうか?

A1)
大半の寄付者は、その不満を言う時間に価値がないと感じています。不満を持った寄付者の多くは「なぜわざわざそんなことを言うのか(それよりも忙しいことがたくさんある)」と思っているでしょう。

また私は、老若男女問わず多くの寄付者と話をしましたが、誰もが寄付先の団体について夢中になっていたり、一方で(寄付の依頼方法などについて)怒っていたりしましたが、その感情を(団体や他人へ)伝える方法がないようです。

Q2)
寄付の依頼について、受け手として好ましくないアプローチ方法はありますか。

A2)
良い人の仮面をつけたようなコミュニケーションは、どうしても不信感が残ります。
例えば、先日電話で寄付の依頼を受けましたが、その時の電話口の声や態度が、私を怒らせないように、私の言うことになんでも同意するかのような対応でした。どうにも誠実に向き合っているのか疑問に感じてしまいました。

Q3)
高額寄付者として、団体から好ましくないアプローチはありますか。

A3)
金額で計られることです。
これまで毎年20,000ドルをある非営利組織に寄付していたのですが、別の組織へ100万ドルを単発で寄付したことがありました。その情報が、継続的に寄付していた団体に伝わり(おそらく、お礼を贈呈してもらったときの情報が伝わったかも)、100万ドルの見込み客になったことで、コミュニケーションが大きく変わったことです。

所感

このインタビューを読むと、
寄付者と誠実に向き合うことだったり、お金だけでなく気持ちもしっかり見ること(ROIを考えたりすると、悩ましいのですが…)だったり、と日本でも共通してあり得る話であり、考えさせられる話だなと感じました。

~営利・非営利のソーシャル事業の成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~

参考
※1 https://twitter.com/Saving_giving

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