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【VOICE vol.9】嶋田慶太流の“目標設定”

橋梁事業を手掛けるジュントス・ブリッジマンズ。
私たちのモットーは「いい仕事をするために心も体も健康であれ!」。
 
今回は、ジュントスのマッスルアンバサダーである嶋田慶太氏と、弊社代表(朝稲啓太)の対談形式で、「目標設定」に関する嶋田氏のご経験についてお伺いしました。

目標設定

朝稲:「今日は、嶋田さんご自身の目標設定、またはパーソナルトレーニングで支援されるお客様の目標設定について伺いたいと思っています。例えば、1年くらい先の目標を掲げた後、どうやってその目標に向かっていくか。うまくいく人、うまくいかない人がいると思いますが、うまくいく方に共通する特徴などを教えていただけませんか。」

嶋田:「はい、分かりました。ちなみに僕自身の今の目標は『盆栽師』になることなんですけどね。盆栽についてはまたのちほど。。(笑)」
 
朝稲:「実は、私たちのようなエンジニアリング業界でも、新しいスキルを習得する目標に向かって真っ直ぐ進んでいける人、そうでない人がいます。誰かのサポートを必要とする人もいれば、自力でどんどん進んでいける人もいます。一人一人の成長意欲をどうやって高めていくか、目標に向かう人を支援する立場での心構えなど、嶋田さんのお仕事ではどんな風に考えられていますか。」

ジュントス代表取締役 朝稲啓太

成長を体感すること

嶋田:「まず自分自身のことについては、1年ごとの目標設定をして、これを着実にクリアしていくということですね。これがお客様の場合は、サポートさせていただくという立場になりますが、お客様ご自身ではなかなかトレーニングが続かないので、我々のようなトレーナーに頼っていただく、ということなんだと思います。トレーニングが続くか、続かないかは、第一に「情熱次第」というところがあるのは否めませんが、お客様の中にはトレーナーに「丸投げ」される方もいらっしゃいますね。そういった方には、やはり成長を目に見える形で実感してもらうことを重視しています。体に変化をもたらすには時間がかかりますし、頑張っているのにあまり変化が感じられないと、すぐにモチベーションが下がってしまいますよね。ですから最初は、「持てなかったものが持てるようになる」とか、小さな変化、成長を体感していただくことを意識しています。ご年齢を重ねられた方ほど、何か新しい変化やご自身の成長を実感してもらえると大変喜んでいただけることが多いですね。それから、体に変化をもたらすためには「食事制限」もある程度必要になってきますが、『あれもダメ、これもダメ』では継続できませんから、食事に『メリハリ』をつけていただくようにアドバイスしています。そうすることで、トレーニングを継続していただけるようになりますし、お食事もより美味しく感じていただけるようになりますね。」

ジュントス・マッスルアンバサダー 嶋田慶太氏

目標のイメージ化

嶋田:「お客様の目標については、具体的にイメージできるレベルまで、かなり具体的に詰めていきます。例えば、『ドラゴンボールの悟空みたいになりたい!』とか、女性であれば『履けなかったパンツが履けるようになる!』とか、写真やイラストなどを使いながら、漠然とした目標をはっきりイメージできるところまでカウンセリングしていきます。」
 
朝稲:「ちなみに、どれくらいの時間軸で目標設定しますか?」
 
嶋田:「あまりにも壮大な目標を出された時は、現実的な目標に引き戻すこともありますね(笑)。減量などは『1ヶ月に3キロまでが理想』だと言われていますから、無理のない進め方についてしっかり擦り合わせていきます。ここで無理をし過ぎると、筋肉まで削ぎ落としてしまうことになりますから、『無理なものは無理』と指摘して、現実的に達成可能な目標について話し合っていくようにしています。」

潜在能力を活かす

嶋田:「僕は、お客様の潜在能力(ポテンシャル)を引き上げるのがトレーナーの役割だと思っているんです。お客様のご要望の全てを満たすことは難しいですが、トレーニングを拝見した時に、例えば学生時代に陸上をされていた方などは、足の神経や毛細血管がとても発達していることが多いので、『最初から胸筋を強化するのには時間がかかるが、足なら早期に改善効果が現れますよ』といったことをお伝えします。変化を実感していただきながら、段階的にトレーニングの土台を作り込んでいくと、結果的に上半身のトレーニング効果にも繋がるんですよね。」

どうやって継続するか

朝稲:「計画や目標を立てた後、継続できる人とそうでない人がいると思いますが、うまくやれるコツとかはありますか?ちなみに目標に到達する方は、全体の何割くらいですか?」

嶋田:「目標に到達できる方は全体の3割程度でしょうか。初めてお会いするお客様のうち、『なぜパーソナルを始めたのですか?』との質問に明確な回答がある方は達成率が高いですね。そもそもスタート段階からモチベーションが違います。フワッとしたまま来られた方であっても、一旦スイッチが入ると成長が早い場合もありますね。僕のお客様の中には、トレーニングの知識よりも、僕に会うことで『エネルギーや元気がもらえる』と言ってくださる方々がいます。そういう方々は、特に意識して小まめにコンタクトさせていただくようにしていますね。また、パーソナルトレーニングのお客様には、必ず『トレーニングと食事に関する宿題』を出すようにしています。1週間後、2週間後には、宿題をやっている人、やっていない人の違いがはっきり分かりますね。最終的には、トレーナーである僕がいなくても、お客様ご自身が独り立ちしてやれるよう、その土台づくりをサポートすることが僕の役割だと思っています。」

悔しさ、コンプレックスをモチベーションに!

朝稲:「モチベーションを維持したり、高めたりすることについて工夫されていることはありますか?」
 
嶋田:「フリーランスになって6年くらいですが、全ては自分のモチベーション次第だと実感しています。自分の成長が実感できる時は、モチベーションが維持されていると感じます。僕の場合、以前会社勤めをしていた頃に成長を感じることができたのは、信頼している上司から仕事を振ってもらった時、任せてもらった時だったことを覚えています。『収入を上げたい』といっても、そうそう簡単に上がりませんし、上がっても年に一度ですからね。ですから、モチベーションを高めるのに一番大事なのは、『毎日会社に行って、仕事量が増えていく、やれることが増えて行く』。そういった時に成長を感じていましたが、それをどうモチベーションに変換できるかではないでしょうか。僕の場合、出場した大会で負けて悔しかったとか、ジムに行って自分より良い体をしている人を見たときに感じる『嫉妬心』をモチベーションに変換することが多いですね。元々、自分自分に対する『コンプレックス』からトレーニングを始めたので、僕の中にあるコンプレックスに何かしらの刺激が与えられると、それをモチベーションに変換できるみたいです。」

アウトプットすること

朝稲:「何か新しいことを習得したい時、学んだことをアウトプットしないと自分の力になっていかないと実感することがありますが、嶋田さんはどう思われますか?」
 
嶋田:「会社の場合だと、新人が入れば、先輩から聞いて学んできたことを後輩に伝えていく、つまり『アウトプットしていく』という機会がありますよね。僕の仕事に置き換えると、お客様に接していく過程で必ず分からないことにぶち当たるんです。そんな時、僕の場合は、信頼できるトレーナーに頼って自分に足りないことをアップデートするんです。『アップデートしたことは、誰かにすぐアウトプットしないと忘れてしまう』ので、アウトプットするということはいつも心がけていますね。」

成長を実感する

朝稲:「自分が成長しているかどうかを実感するのは結構難しいですよね?肉体改造の場合も、短期間で顕著な効果が現れるわけではありませんし、『体を変える』って本当に難しいなあと感じてしまいます。なかなか自分の成長が実感できないと、モチベーションが続かなくなるので、何か目に見える変化が実感できると良いんですけどね。」
 
嶋田:「僕の場合、年に1回、または2回程度の大会があって、大会に向けてモチベーションを作っていきますね。今は、国内で僕が出場できるのは二つの大会だけなんですが、それ以上になると、国際大会に出るために所属団体から推薦してもらうとか、いくつかのハードルをクリアしていく必要が出てきます。大会に出場できないとなるとモチベーションが下がってしまうこともありますが、やはり本来は、『目標とする日が近くにある方が良い』ですね。」
 
朝稲:「日常業務の中で、ゴールをどこに置くかというのは結構難しいことがあります。例えば、チーム制で仕事をしている場合、自分だけで完結する仕事は少ないですし、担当する業務が完了すると、次の担当に引き継いでいくということがあります。当社の場合は、橋梁設計を担当している人が図面を書くわけではないし、また設計業務と工事が別発注ということもあるので、『自分が設計した案件が出来上がった!』と体感する機会も少ないんですよね。」
 
嶋田:「ディズニーランドに行った時に感動したんですけど、宮殿のようなホテルがあって、おそらくどの角度から見たら一番綺麗に見えるかとか、入念に設計されていると思うんです。それを見た時に、設計する人ってすごいなあと思ったんです。そのホテルにはおそらくすごい数の人達が毎日訪れて、同じように感動した人も多いと思いますし、自分が設計に関わった後、いろんな人たちが関わって、何年もの時間が費やされて出来上がったものを見ることで得られる達成感はすごいんじゃないかと思うんです。これって『自己肯定感』にも繋がりますし、モチベーションにならないですかね。」
 
朝稲:「確かにそうですね。是非完成した橋を実際に見る機会を作っていきたいと思います。おそらく、設計した橋を自分で調べて、是が非でも完成した橋を見に行きたいと思う人もいれば、そう思うだけで終わってしまう人もいると思うんです。思うだけで終わってしまう人の方が多いのかもしれませんが、そこまでフックがかかっていない人の方が多いのかもしれませんね。」

コーチの役割

嶋田:「僕の場合、そこはコーチが火をつけてあげることが大事だと思うんです。火付け役であるコーチは、特に最初は相当頑張らないといけませんが、最終目標が『独り立ち』という点は忘れてはいけませんね。」
 
朝稲:「確かにそうですね。コーチがヘルパーになってしまうと良くないなあと感じることがあります。例えば、部下ができないから上司がいつもヘルプしてしまうという状態が続くとか。」
 
嶋田:「僕が会社員だった頃、上司に甘えることは得意だったんですが、後輩には一切任せられないというところがありました。当時は、自分がやった方が早いからそうしていましたが、結果的には後輩が育たなかったので反省しています。」
 
朝稲:「人に何かを教える=アウトプットすることで、自分も部下も成長できるように成るということですね。」
 
嶋田:「アウトプットするためには考えますし、それが自分の力になりますね。」
 
朝稲:「もう一つ、近い目標と遠い目標をどうリンクしてあげるかということが重要かもしれませんね。目の前の期日に完了させることだけを追うと苦しくなりますし、ノルマをこなしている感覚になるとモチベーションの維持も難しくなるでしょう。私も子供がいるのですが、最初は良い点数を取ったと言って見せに来ていましたが、点数が上がらなくなると勉強もしなくなってしまいました(笑)。」

共感できる仲間

嶋田:「僕は、共感してくれる仲間が周りにいることが大事だと感じています。そもそも、自分が好きなことに他人を巻き込んでいくことがとても好きなんです。盆栽師になりたいという話をすると、『なんで盆栽師に?』と聞かれますが、盆栽に全く興味のない人に、盆栽の魅力をあれこれ話すことが大好きなんですよね。一旦引き込んでしまえばこっちのもの!って思っていますよ。もともと田舎暮らしで自然が多かったので、東京に出てすぐの頃は、山梨県とか、山にあるサウナなんかに行ってリフレッシュしていました。今は盆栽ですけど、自然の山が、ベランダの小さい山になった感じですかね。(笑)」
 
朝稲:「いかに周囲を巻き込めるかですね。周りを巻き込んでいける人は、いつも楽しそうに話していますね。そういう人の『熱量』に惹き込まれるんでしょうね。ちなみに、嶋田さんがウェイトトレーニングの世界で目標に向かい続けた力はどこから湧いてきたんですか?」

目標に向かい続ける力

嶋田:「僕の場合はギャップですね。若い頃から田舎暮らしで、周りは不良しかいませんでした。体を鍛えても、使えない筋肉だと否定され、馬鹿にされることもあった10年間でした。そんな周囲の環境にあって、フラストレーションが溜まっていた頃、ある大会ですごい選手を見たんです。鍛え上げた体で人をこれだけ感動させる世界があることを知り、この世界に惹き込まれました。」
 
朝稲:「よく10年間も継続できましたね。」
 
嶋田:「負けたくないという反骨心でしょうね。これでやめたら負けだと、ある意味、捻くれていたんですかね(笑)。トレーニングを継続しているうちに、それが特別なことではなくなり、歯磨きをするような感覚で習慣化していきました。やらないと気持ちが悪くなるんです(笑)。」
 
朝稲:「トレーニングの世界であっても、橋梁設計や工事の世界であっても、そこには共通するものがありますね。今までやってこなかったことを習慣化するのは簡単ではないと思いますが、『習慣化の秘訣』みたいなことについて、また是非お話を聞かせてください。」

ジュントス本社2階にあるトレーニングルームにて
ジュントス代表取締役 朝稲啓太(左)
ジュントス・マッスルアンバサダー 嶋田慶太氏(右)