【目次公開】手癖のキャラメイク論、あるいは平成のお茶の間で脳に流し込まれた優しい男たち(12/1文学フリマ頒布アンソロジー収録)

あした!
2024/12/1(日)文学フリマ東京39にて頒布の
「Narratives -"物語"と歩く人のための評論&エッセイアンソロジー-」主催:穂波晴野先生
に寄稿させていただいたエッセイの試し読みです!

タイトル
『手癖のキャラメイク論、あるいは平成のお茶の間で脳に流し込まれた優しい男たち』

ざっくり内容紹介
「なぜだか分からないけど、この系統のキャラは書きやすいんだよね……」
これを【手癖】と呼ぶなら、その手癖のキャラは、幼少期のアニメで見たキャラクターが源流かも?
平成のちびっこが大好きだったアニメのキャラクター(ただしイケメンに限る)を例に、手癖とキャラメイクの関係について語ったり、ただイケメンに燃えたぎってるだけだったりするエッセイです!

目次
・序文
・大丈夫、僕らは既に宝物を持っている
・僕の脳内に流し込まれた優しい男たち
・あのころのイケメンは、いまもずっとイケメン
・キャラメイクの3ステップ
 ①懐古と愛しさで爆発しそうな属性を分解する
 ②相性のいい相棒を作る
 ③別の属性も検討する
・お茶の間の記憶を抱きしめて

序文試し読み!

 なぜ、イケメンを書いている時間は、狂おしいほどに愛しいのか。なぜ、イケメンのイケ仕草を表現する新たな言い回しを見つけた瞬間、脳が焼き切れるほどに高揚するのか。じゅんすたはその謎に迫るべく、幼少期の記憶を呼び起こせるという不思議な湖にやってきたのだった!

 ……というのは全くのデタラメです。いきなりすみません。僕の名前は奥野じゅんと申しまして、メンズバディのライトミステリーでデビューをした、生粋のイケメン書きです。イケメンを書くために生まれてきたと思っています。よろしくお願いいたします。

 さて、今回のエッセイのテーマである「小説とアニメ」――僕はこれまでアニメについて、あえて言及を避けてきました。好きだけど、語れるほどではないかな、と。そう思う一方で、常々思っていたことがありました。
 自分の書きやすいイケメンキャラが偏っているのは、幼少期に見ていたアニメの影響、ひいては、子供時代に当たり前にあった『お茶の間のテレビ』に関係があるのではないだろうか……と。
 今回はこの仮説をひもときながら、小説執筆におけるキャラメイクの仕方についても検討できたらいいなと思っています。これをお読みになる皆様に有用かは分かりませんが、僕自身が今後も健康的にイケメンのイケ仕草を書き続けるために、このエッセイを通して研究しておきたいのです……。

 そう言ってじゅんすたは、湖畔の芝生に膝をつき、澄んだ水を両手ですくった。そっと顔を近づけて啜る。やがてじゅんすたは静かにその場に倒れ、花や蝶やトンビや鯉の気配を感じながら、まどろみのなかに沈んでいった。
 かすみゆく思考の中でじゅんすたの頭を占めていたのはただひとつ。「なぜ僕は『先生』という属性に、頭がおかしくなりそうなほどの愛しさを感じたのか」――その答えを知りたいと思った。

▲試し読みここまで▲

続きが気になる方はぜひ書籍で!
あす12/1文学フリマ 東京ビッグサイトでゲットよろしくおねがいします!

発売情報

Narratives -"物語"と歩く人のための評論&エッセイアンソロジー-
「手癖のキャラメイク論、あるいは平成のお茶の間で脳に流し込まれた優しい男たち」

文学フリマ東京39
イベント日::2024/12/1(日)
会場:東京ビッグサイト 西3・4ホール
ブース番号:く-10
スペース名:イナバ出張所
https://note.com/honami_haruno
※じゅんすたは不在です……皆様観測お願いいたします……!

通販(Booth)あります
12/7以降の発送とのことです!

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