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【絵本研究】ってなに??
わたしのnoteでは、これまでたびたび
"絵本研究" ということばが登場しています。
そもそも絵本研究って何なのか、
それを少しだけお話ししたいと思います。
*絵本研究ってなんだろう??
"絵本研究" 。
それは、絵本を研究すること。
…うん、そのまんまですね。
「えー、絵本なんて研究対象にならないよ」
って思われそうですが、いやいやこれがどうして。
絵本は、"絵本学" という学問にもとづく
立派な研究対象なんです。
もちろん学会もきちんとあって、
研究紀要の発行や、学会発表の場もひらかれています。
多くの著名な研究者の方々による
歴史的な文献も、たくさんたくさんあります。
*絵本研究ってどうやるの??
では、具体的にどうやって研究するのでしょう?
そもそも絵本の特徴のひとつは、
多面的な側面からとらえることができる、ということ。
保育・教育、児童文学、美術・アート、図書館学、出版販売、児童文化、心理学、朗読(読み聞かせ)、文化伝承(昔話)、文学、言語学、民俗学、社会学、科学(科学絵本)、子育て、医療福祉……
…あげればきりがありません。
そういったいろいろな分野における、
現場(臨床)のプロや研究者・専門家が、
絵本をツールとして研究することが多くあります。
たとえば、
保育現場での読み聞かせによる効果の研究、
発達心理学にもとづく絵本の分析
など。
これはおもに、"実践研究"と呼ばれるものです。
いっぽう、
絵本それ自体、
そのものを研究する方法もあります。
いわゆる "絵本研究" は、こちらを示すことが多いような。
わたしの研究もこっちにあてはまります。
おもな方法としては、
・テーマやジャンルにもとづき、絵本・絵本作家を集めて表現を比較する
・あるひとりの絵本作家の表現の特徴を分析する
などですね。
*絵本分析ってなに??
さて、
後者のような
絵本そのものを研究をする場合に基本となるのが、
"絵本分析" です。
意味はそのまんま、絵本を分析することですが、具体的には、
・画材や描画の技法を調べる
・画面ごとの構図や視点をみる
・画面ごとの絵と詞(ことば)の役割や関係性をみる
・登場人物や描かれているものを追っていく
・作家の意図や出版の背景を探る
などがあります。
とにかく、
1冊の絵本にじっくりと時間をかけて向き合い、
分析した結果を文字にしていきます。
先達の、レジェンドとされるような研究者の方々の先行研究によって、
絵本には
基本的な "文法" や、
一般に共有される "定義" が
存在することも明らかになっています。
そうした文法やルール、定義に照らし合わせて
その絵本を考察する、というのが
もっとも一般的な絵本分析のやり方です。
この分析をもとに、絵本を研究するわけですね。
*まとめ
…こんな感じでしょうか。
これがベーシックな絵本研究のかたちです。
今ではこれを下敷きに、もっと発展した研究がたくさん行われています。
…なんだか固苦しい文章になってしまってすみません。
絵本研究について、なんとなくわかってもらえたらいいなぁ。。。
これから、
【つぶやき絵本書評】などの記事をとおして、
絵本分析を中心とした絵本研究の方法を
みなさんにすこしずつ知っていってもらえたらな、と思います。
そしてなにより、
すこしでも絵本研究に興味を持っていただければ、
こんなにうれしいことはありません。
つたないnoteで恐縮ですが、
これからもよろしければぜひご愛読くださいませー。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
恥ずかしながら、
わたしは絵本研究者としてはまだまだひよっこなので、
いろいろと語弊や間違いがあるかもしれません。
もし研究者の方が読まれて、
何かひっかかるところがあれば、
広い心で受け止めつつ、教えていただければ幸いです。
よろしくお願いしますー。