HAKU - 1
「掃く」は気持ちが良い。
毎朝、家の周りと玄関を掃き終えると、近くの氏神様へ散歩がてら箒と塵取りを持って向かいます。鬱蒼とした背の高い杉の木に覆われている古びた素朴な神社へ上がる階段、境内までの道、灯籠、苔むした狛犬に散る落ち葉などを払いながら掃き掃除をすると、本当に気持ちが良い。
なぜ掃くことで気持ちが良くなるのか? 調べてみると、風水や運気にも良いということが出てきます。ふむ・・・運気アップのためにやるという行為の入り口がそもそも違うのです。まったく違う、そうじゃないよGoogle先生。改めて掃いている時の風景や心情を反芻すると、シャッシャ、シャッシャと朝の静寂の中、箒の動きと音に集中して掃くことは私にとってマインドフルネスまたは瞑想とも言え心が整う行為だ、ということに気づいたのです。悩みも憂鬱も一旦手放せる。すぐに舞い戻ってくるにせよ、一時的に手放して考え方が変わることもあります。それが結果的に運気アップになるならそれは結果論でしょうが、それこそ「神のみぞ知る」です。
家の周りも玄関も神社も、掃き掃除の後の清々しさったらたまりません。それこそ「整いました」の心境です。掃除は行為であり手段に過ぎず、その集中した数十分を味わいたくてやっているようなものです。
神社に掃きに行くことを自分で決めた割には最初は億劫でした。居ないことも多いし、先月のように長らく不在もありムラのある掃除だ。何より、まだまだ向こう3軒ほどしか知らない人が多いこの地域で、変な目で見られないか?不審者と思われないか?余計なことをしていると思われないか?と掴みどころのないクエスチョンが行為にブレーキをかけそうになりましたが、意外に早朝は誰とも会わないものです。会えば挨拶をし、誰かと聞かれれば自己紹介もし、会話が生まれます。箒と塵取りはちょっとした地域コミュニケーションに一役かっています。
写真は掃いた後の「星神社」の写真。焼却用のドラム缶も星の型抜きが。
photo by Junko Sasanuki
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