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りゅうちぇるが亡くなってしまった。人の価値は、人との違い。周囲の圧力から「普通」を演じてしまってきたことを一つづつ思い出して、それを大切に抱きしめて欲しい。そんな授業を若者たちへしたこと。。。

りゅうちぇるが亡くなってしまった。
なぜにこんなに生きにくい世の中なのか。

「なぜ死に至ったのか?」についての憶測など、たくさんネットに書かれていて、でも「ほんとうのことや 本当の辛さ」は本人にしかわからないことだ。私はただ、涙が出てくる。こんなことあっちゃいけない、、でも泣いていても仕方が無いこともわかるから、自分にできることをやっている。これはりゅうちぇるが亡くなる以前からずっと。。

ほんとうのことはわからないけれど、ネットでの誹謗中傷があったことは事実だ。死ねとか気持ち悪いとか育児やれとか、もぅ滅茶苦茶だ。なぜそんなことを書くのだろうか。りゅうちぇるは、そんな人にさえ優しかった。

きっと こういうことを書かなくては生きていけない理由が、この人にもあるだろうから、と。

私自身、テレビに出たり本を何冊も出している身なので、あらゆる誹謗中傷経験者である。また、私自身+我が息子も生き辛さを感じやすい特性を持つアスペルガーなので、ややこしいことは沢山おきる。

そう 普通 じゃないから。

普通、こういう場合そうするでしょ、普通そうはしないよね、普通はみんながこうしてるんだから、なぜあなたはできないの

物心ついたときにはもう、毎日親からも周囲からも、こういう言葉を言われていたんだよな。

だからとにかく、興味が無い勉強も、だいたいこのくらいの高校に入っておけば親は納得するだろうからという基準で勉強した。
試験の点数が悪いわけじゃないから、それなりの進学校に入学できたが、とにかく勉強が嫌いだった。
覚えれば高得点は取れる。しかしそのことが苦痛であった。

自分なりに研究するような勉強は大好きでも、まぁ夏休みの自由研究くらいしか燃えることがない。命がけで自由研究したり、大好きな絵日記を丁寧に仕上げても、算数の点数が悪ければすべてが消えていくような不条理な感覚。

自分や息子の特性は書きまとめているポストはあるので、こちらをどうぞ。

息子においては、周囲との違いが私以上にあからさまで、幼少期はもちろん、彼にとって思春期のあたりは一番過酷だった。
彼が書き殴っていた「死にたい、生きていても仕方が無い」といったようなメモを見つけ、自宅に姿が無かったときは、私は発狂して涙さえ出なかった。声も出ない。その苦しさは 一生忘れることは無いだろう。


彼を追い込んでいく背景には、人との違いを一番受け入れない思春期の、その時期悪気も無い子供たちの、彼に対する冷たさだ。それはイジメともいうのかしれないが、ひとはぞれぞれ、「そういう目にあわないように」自己を強制する。

それでも彼は、その偏った特性を抱きしめながら、唯一無二の人生を何とか歩んでいる。きっとそれは
彼は自分の生き辛さから、他者に対しても敏感に同じ匂いに気がつき
おなじように、いやきっとそれ以上に辛かった親友が、この世から去った経験をして、踏みとどまっていったように母は感じている。

世の中の不条理に対して、命をもってして訴えたとしても、何も変わらないのだと言うことを知ったのではないか。・・・・遺された自分にできる事、ただ生きているだけでもと覚悟したのではないか、、。

そして、私もいつも思うのですが、浮かばれなかった人、若くして思いを残し、あの世に逝かねばならなかった人の遺志を引き継いで
自分には何ができるのか、その思いの分まで、という深い活力、、。
私にも病死を含め、こうした大事な人を亡くした経験が在るので。




息子に残された道は、小さい頃から授業も聞かず、ノートどころか教科書までも絵で書きつぶされるほど描き、それに集中できる特性を生かすという道。もちろんそれは「普通」に賞賛されるものではなく何度注意を受けたかわかりませんけれど。

私も 自分自身も生き辛い人生だったがゆえに、彼のこの道だけは、どれだけ不安定で将来が見えなくとも、信じ続けることをしてきた。

たとえば絵が描きたい、といっても 仕事にならないと言われ 道をいつの間にか好きでもない方向に変えてしまう、そんな人は山ほどいると思う。
私自身、大学進学を当たり前のように勧められた高校時代、ファッションの専門学校に行くなんて墓場にいくのか、それだけはやめておけ、何のためにこの学校に入ったの?同じ学費を払うのにもったいないと言われ、学校には相談するところがなかった。

一筋の、自分を信じる気持ちだけで進路を決めたが、親からの学費以外の援助はほぼなく、バイトに明け暮れ、アパートに帰るとミシンを踏む日々。
そこに「遊び」という青春は あまりなかったが、自分を生きているというマインドだけは正常。
お金が無くて働きづめななかでも 恋をしてファッションを愛して
それなりに自分を生きた。

親元でぬくぬくと暮らしているときのほうがよほど、息が苦しかった。

りゅうちぇるの過去をたどると、中学生まで自分を出せず苦しかったが、地元を離れた高校を選び、可愛い服や髪の毛を染める行為で自己表現し、救われていったという。
その後の彼の活躍ぶりは、世の中がジェンダーを取り上げるようになって更に加速する。元気で開放的に見えたその姿の奥底にはまだ、人との違いを真に表現しきれていない自分があったのでしょう。

2人の出現は衝撃的だった。2人とも大好き。

その気持ちに素直になり、やっと、といういうところまできて命を絶ってしまった。その「素」の姿を誹謗中傷され、本当の自分が否定されていく悲しさ。いくら強がっていても、じわじわとそのストレスが、自己肯定感を蝕んでいくのだ。

人が素を見せたくないのは、こういうことなのだろう。
否定されるのが嘘の自分なら耐えられる、でももし「本当の自分」が否定されたら心底傷つく。
何かがしっくりこなくても、素の自分を殺しさえすれば上面的にはやりすませる。

それを大人は「社会性」というのか。コミュニケーション力とでも?

確かに、強制されてでも身に着けた社会性が役に立っていると感じることもある。私はかなり強制されたので。
ただ、その「ほんとうは違うんだ」という湧き出る気持ちを殺さず、その圧力になんとか負けなかったから今があるのであって、もし一ミリでも違っていたらと思うと

私は私が怖いよ。

だからそんな気持ちを大事にして欲しい。
何もできない時期があっても、ただただ抱きしめて欲しいとおもう。

だからね、先日のモード学園での講義では、似合うテイストなどを教える講義で、こんな話をした。
似合う傾向は知っておくことは有効、でもね、本当の似合うはみんなの中にあるんだよって。

息子のことやマット君のことを事例に上げながら伝えていく。
何気に「めんどうくせーおばさんだな」と思う気持ち半分ながらも耳を傾けてくれる。
それぞれが、私の言っていることから自分の大切さ、人との違いの尊さをあきらめずに感じてもらえたらと心から願う。

そしてもし、今まで人と同じじゃないと、とか
普通にしておけば無難でラクだって
逃げたことがあるなら思い出して抱きしめて欲しいと

そして一歩づつ行動してほしいと。

この講義は りゅうちぇるが亡くなる2日前の講義だった。


ちゃんと、聞いてくれている。


素を表現したら辛くなるんじゃないかと恐れる気持ちはすごくわかる。
りゅうちぇるだって亡くなったじゃん!って思うかもしれない。

だったら、誹謗するような人間にならないこと。
自分らしく生きる人を応援する人になること。

ファッションの勉強には、沢山知識を詰め込んで貰う必要がある部分と
こうして「感じる」「考える」授業が大事で、そのことで真の自分と繋がったり、社会を捉えていく力を身につけてほしい。


知識の部分は、西畑敦子が授業担当してくれた。互いの役割を果たせるよな、と思っている。


真の社会性やコミュニケーションは、決して多くの人に何気なく好かれていればいいというものではないのだから。その好かれている、というのすら妄想で、ほぼ人のことになんて多くはスルーなんです。
本当に自分を大事に思ってくれている人は誰なのか
困ったら誰に相談するのか
居てくれるだけで癒される存在はあるのか

多少嫌われても大丈夫な貴方であってほしい。


しかしながら若い世代が生き辛い世界を作ったのは大人の責任だ。
だから私はできることをやっていこうと思う。
登壇するのも一つの理由だ。

共に考えていけたらいいね。
この日もありがとう。
みんなが クラスメートの誰かに、自分が持つ小物類の何かを着けてあげて、なぜそれが似合うと思ったのかを発表してもらった時にのハニカム笑顔を、ここにも貼っておくね。


自分が大事にしているものから自分以外の似合う人へ提案する。
服は自分勝手なものでもある一方で 考え方を変えると相手へのギフトになる。
自分で選ぶという行為は大事だが、人が「こういうのが似合いそう」と思う意外性を知ることはもっと大事。

自分の趣味や価値観を超えて、ファッションを体感していってね。



そして、みんなの「素」に先生は触れたいと思ってる。
そして応援したい。


この日はピンク君とお約束したので 私もピンクさん。そうすると いつもの仲良し2人もなぜかピンクがリンクする、という不思議。


みんな。可愛くて仕方ない。
スタイリング全貌。この日の西畑は 彼女が私の元でパーソナルスタイリングを学ぶ学生時代、初私が彼女に選んだ、ギャルソンの古着ジャケットを着て。

そして私は このTシャツユニクロセールで500円だよと、話す。笑
ユニクロを格上げする着方については、また別に書く。

りゅうちぇるのご冥福を心からお祈りいたします。
天国ではもっと自由に羽ばたいてくださいね。そして、心を十分休ませてあげてください。

ぺこちゃんとお子さんをこの世では応援していきますね。


女性で初めて好きになった人、がペコちゃんだったという。だから結婚式のスタイルでは素の気持ちでこのスタイルだったんだろう。でももし今だったら 2人ともがドレスでも素敵ですね。








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