勝ちに行く、を教え込まれた結果
久々にドキュメンタリー映画を観ました。
アメリカのテニス選手、マーディー・フィッシュという人が主人公、Netflix『Untold: 極限のテニスコート』です。
子どもの頃から、テニス選手として特別な教育を受けていたマーディー。特にアメリカのテニス界は、ヨーロッパ出身の選手が活躍し始めていた頃なので、彼らに負けじと若手の選手育成に力を入れていました。
テニスの技術的指導の他に、精神面でも教育をされます。
「勝つ為には、相手に弱いところを見せてはいけない。
疲れた、もう嫌だ、痛い、頭に来る、などの感情も見せてはいけない。コートの上では封印するように」と。
ネタバレにならない程度に - - -
っていうか、バラしてる?かも?
ライバルかつ親友の選手(アンディ・ロディック)と刺激し合い成長しあう中、主人公マーディーは、選手として全て出し切りたい!と、厳しい自己改造計画に取り組み、世界ランキングも上位に上がります。すると、スケジュールも忙しくなり、だんだんと歯車が噛み合わなくなります。監督かつ友人からの厳しい批判の一言をきっかけに、精神的に崩れ始め、何ヶ月も家に引きこもる生活にー。そこから専門家や家族、友人の助けを受け、コートに立てるまでに復活します。もし一人きりだったら、今この世に存在していないだろう、と言っていました。
そんなお話です。
とても印象に残っているのは、幼い頃に蒔かれた種(弱さを見せてはいけないという教え)が、大人になった時に、一人の人間の命を奪いかねない形(必要以上の精神不安、恐怖心、不安感、孤独感といった負の感情)に育ってしまった、という点です。
教育していた側は、選手のため、国のために、と、悪気はなくやっていたでしょうし、同じ環境にいても、何の問題を感じない人もいたと思います。(まるで親や先生が、子どもたちの成長のために、と色々力を注ぐように。。。)たまたまこの主人公は、本人の意思に関係なく、命まで危ない状態になってしまった…。
ここでわたしなりに書き留めておきたいことは ー
精神的に不安定な人を、一人きりにさせない
必要なら専門家に助けを求めるべき
弱さを見せることは、悪いことではない
むしろ、弱いところを見せられる人にこそ、強さがある
ノーと言える環境&受け入れられる環境が必要
ネガティブな種子が自分の中にあると気づいたら、そこにずっと意識を向けない → 種が大きく成長してしまうから
という点でしょうか。
あと、最近わたし自身、体調が落ち着いているせいか、
Vulnerable に生きる人を尊重し、自分もそのように生きられる時間を増やしたい
とも思えるようになりました。
(vulnability :コンピュータや情報セキュリティの世界で「脆弱性」= 「攻撃されやすい」の意味。
vulnable に生きるとは、心の柔らかく弱い部分も隠さないで、とか心を開いて生きる、のような意味で使われる。)
興味深いドキュメンタリー番組でした⭐︎